エヌビディアの急成長、アナリストは置き去りに-上方修正追いつかず

AI要約

エヌビディアの株価が高騰しているが、売上高の予想が不確実であるため投資家には注意が必要。

人工知能ブームによる需要急増でアナリストの予想を上回り続けており、予測が難しい状況。

アナリストは供給能力向上を前提に目標株価を上方修正しているが、エヌビディアの将来展望は依然不透明。

(ブルームバーグ): 米半導体大手エヌビディアの株式は向こう1年の売上高見通しに基づく株価売上高倍率(PSR)が23倍と、S&P500種株価指数構成銘柄で最も割高となっている。

しかし、その株価バリュエーションには問題がある。人工知能(AI)ブームの時代にあって、同社の売上高が実際にどうなるのかはウォール街のアナリストだけでなくエヌビディアの経営陣にも定かではないからだ。では、投資家はどうやって株価が高いかどうかを判断すべきなのだろうか。

ここ1年余り、AIブームを背景にしたエヌビディア製チップへの需要急増は、ウォール街の四半期業績予想を的外れなものにしてきた。アナリストは他の企業と同じように経営陣からヒントを得て予想を作り上げている。ただ、エヌビディアの首脳陣でさえ、3カ月後の売上高を見通すのに苦労している。

エヌビディアの売上高は2023年2-4月(第1四半期)に爆発的に伸びて以来、会社予想の中央値を平均13%上回っている。

エヌビディアの担当者はコメントを差し控えた。

モーニングスターのアナリスト、ブライアン・コレロ氏によると、エヌビディアの予想モデルを難しくしているのは、需要が好調なときに供給が最も不確実な変数であることだ。同氏は先月、エヌビディアの目標株価を91ドルから105ドルに上方修正した。21日の終値は約127ドル。

同氏はエヌビディアの供給能力が確実に向上していると仮定し、四半期売上高予想を最大40億ドル(約6400億円)引き上げるとしている。「目標株価やフェアバリューを引き上げたり、売上高が1年前の予想を大幅に上回っていることに驚いたりするアナリストは私だけではない。興味深く、やりがいある仕事だが、確かに難しさもある」と語った。

メリウスのアナリスト、ベン・ライツェス氏も21日、エヌビディアの目標株価を125ドルから160ドルに引き上げた。今年に入って5回目の上方修正となる。