中国とロシア、BRICSてこに外交攻勢-欧米への不満取り込む

AI要約

ロシアと中国が東南アジアを訪問し、BRICS加盟への熱意を示す。

新興国がBRICS加盟を目指す理由や背景について分析。

BRICSは米国中心の国際秩序への不満を表す新たな世界秩序の一環。

(ブルームバーグ): ロシアのプーチン大統領と中国の李強首相が今週、それぞれ東南アジアを訪問した際、主要新興国から成る「BRICS」加盟への熱意を目の当たりにした。加盟国数を今年ほぼ倍増させたBRICSは、欧米主導の世界秩序に対するヘッジと見なされている。

マレーシアのアンワル首相は李首相を迎える前に中国メディアとのインタビューに応じ、BRICSに加盟する意向を表明した。

マレーシア、BRICS加盟へ-アンワル首相が中国メディアに語る

タイは先月、ブラジル(B)とロシア(R)、インド(I)、中国(C)、南アフリカ共和国(S)にちなんで名付けられたBRICSへの加盟を目指すと発表した。マリス外相は先週、「タイが以前から加盟を望んでいた南南協力の枠組みだ」と記者団に語った。

米国と中国の対立が激化する中で、経済的リスクを軽減しようとする新興国にとって、BRICSへの加盟申請は米国中心の国際秩序や世界銀行・国際通貨基金(IMF)といった欧米の強い影響下にある主要な国際機関への不満が高まっていることを示している。

マレーシアのサイフディン元外相はインタビューで、「私もそうだが、われわれの一部は不公平な国際金融・経済構造の解決策を見つける必要があると考えている」と述べ、「BRICSは恐らくバランスを取る方法の一つになるだろう」との見方を示した。

プーチン大統領と中国の習近平国家主席にとって、BRICSへの関心の広がりは、ロシアがウクライナで始めた戦争に加え、台湾やフィリピン、韓国、日本への軍事的脅威を巡り、ロシアと中国をより広範に孤立させようとする米国とその同盟国の試みを押し返すことに成功している証しでもある。

ウクライナのゼレンスキー大統領がスイスで今月開催された「世界平和サミット」を巡りアジア各国の支持取り付けに苦しんだ一方、プーチン大統領は今週、北朝鮮との防衛協定に調印した。

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