万博「空飛ぶクルマ」商用飛行を断念 スカイドライブ、デモフライトにとどめる

AI要約

空飛ぶクルマが2025年大阪・関西万博の目玉として注目されていたが、乗客を乗せた商用運航は断念し、デモフライトのみを行うことが決定された。

開発中の機体は垂直離着陸が可能で、パイロット1人と乗客2人を搭乗可能。スカイドライブは引き続き開発に邁進し、米連邦航空局への型式証明申請が受理された。

空飛ぶクルマの運航事業者は複数決定されており、商用運航の実現に向けて各社が取り組む中、具体的な展開はまだ不透明な状況。

万博「空飛ぶクルマ」商用飛行を断念 スカイドライブ、デモフライトにとどめる

スカイドライブ(愛知県豊田市)は14日、2025年大阪・関西万博の目玉「空飛ぶクルマ」について、万博では乗客を乗せずにデモフライトを行うと発表した。乗客を乗せる「商用運航」を模索していたが、事実上の断念を表明した形となった。

開発中の機体はモーターとプロペラを備え、パイロット1人と乗客2人が搭乗できる。垂直離着陸が可能で、会場輸送を行う予定だった。スカイドライブは同日、万博において「スカイドライブ(の機体)が飛行する姿を多くの来場者の皆さまに見ていただけるよう、引き続き開発に邁進(まいしん)する」とコメントした。

スカイドライブはまた、空飛ぶクルマの型式証明の申請を米連邦航空局(FAA)に行い、4月29日付で受理されたと発表した。万博開催翌年の令和8年以降に、日本での型式証明の取得と商用運航の開始を目指すとしている。

万博の運営主体の日本国際博覧会協会は、空飛ぶクルマの運航事業者としてスカイドライブのほか、ANAホールディングス(HD)や日本航空、丸紅の計4グループを決定している。ANAHDは米ジョビー・アビエーションと共同で参画するほか、日航は独ボロコプター、丸紅が英バーティカル・エアロスペースの機体を使用する計画だ。

空飛ぶクルマは万博を代表する主要事業とみなされており、来場者を乗せる商用飛行が実現できるかに注目が集まっていた。ただ、各社とも商用飛行の実施をめぐっては「結論はまだ出ていない」(日航)「まだ決まっていない」(ANAHD)とするなど、実現するかは不透明な状況だ。