【FFと4WDの比率は8:2】 好調な台数推移の都会派SUV ホンダ新型ヴェゼル試乗

AI要約

ホンダのグローバル・スモールSUV戦略車として2013年に登場したヴェゼルが2代目フルモデルチェンジとマイナーチェンジを経て人気を獲得。外観には細かな変更が加えられ、インテリアも使いやすさが向上している。

特にHuNTパッケージを装着したe:HEV XのFFモデルは、アウトドアテイストを強調した外観とカーキ×ネイビーの専用カラーのインテリアが特徴。ホンダ独自のe:HEVシステムによるエンジンのかからない領域の拡大や乗り心地の向上が評価されている。

ワインディングロードでの走りも楽しめ、高速道路での安定感も高い。ホンダセンシング機能の優れた性能も健在であり、満足度の高い試乗であった。

【FFと4WDの比率は8:2】 好調な台数推移の都会派SUV ホンダ新型ヴェゼル試乗

ホンダのグローバル・スモールSUV戦略車として2013年に初代が登場したヴェゼル(ほとんどの国で輸出名はHR-V)。2022年に2代目にフルモデルチェンジされ、そして今年4月にマイナーチェンジされた。

事前に先行情報を公開した効果もあってか、人気は順調。4月の販売台数は7752台、5月は5717台で、SUVではトップだ。登録車全体でも、4月は第4位、5月は第6位となったのだから、たいしたもの。

計画以上の受注にホンダは追われているが、それでも現在のところオーダーから納車までは1~2カ月、ガラスサンルーフ仕様は+1カ月というところだという。

そんな要注目のヴェゼルに試乗する機会を得た。独特のフレームレスのフロントグリルなど、外観はパッと見には大きく変わってはいない。だが、従来型のユーザーが新型を見て、マイナーチェンジなのに大きく変わってしまった…とガッカリさせることはないから、個人的には評価したいポイントだ。

だが、近くに寄ってよく見ると、グリル形状やフロントまわりの顔つきは少し精悍になったし、テールランプもフルLEDになった。乗り込めば、インテリア全体の印象は変わらないが助手席からもアクセスしやすいセンターコンソールなど、扱いやすさが向上している。

弟分のWR-Vが登場したこともあり、ラインナップも少し変更され、新たなパッケージも設定された。これらについては、試乗しながら紹介していくことにしよう。

まず最初に試乗したのは、中核グレードである、e:HEV XのFF。それに新たに設定されたHuNTパッケージを装着したモデルだ。

エクステリアではカッパーメタリックのガーニッシュや専用デザインのアルミホイール、そしてルーフレールも装着し、アウトドアテイストを強めている。

インテリアではカーキ×ネイビーの専用カラーが新鮮で、シート地はには撥水・撥油機能のあるファブテクトを採用するなど、アウトドアで遊び倒したい人に向いているといえるだろう。

ホンダ独自のハイブリッドであるe:HEVは、モーターで動く領域が増やされた。

これはバッテリー容量は変えておらず、ソフトのアップグレードによるもなのだが、市街地レベルの走行ではエンジンがかかる領域は以前よりも少なくなっている。また、エンジンON/OFFによるショックや音もおさえられており、パワーフローのメーターを見ていないと気づかないかもしれない。

FF車はリアダンパーの減衰力を下げて欧州仕様と同じセッティングにしたそうだが、これが奏功しており、ちょっとしたワインディングロードでの走りも楽しめる。思いどおりのハンドリングを実現しながら、しかも乗り心地は悪くない。今回の試乗ではリアシートにカメラマンを乗せる機会が多かったのだが、きわめて快適に過ごせたようだ。

高速道路を走る機会も得たが、ホンダセンシングの出来は相変わらず良く、ACCで走行中、前走車の有無による加減速もスムーズ。エンジンも極端に回転数を上げることなく、またノイズも抑えられている。