新型ミニ・クーパーは中身の進化がスゴい! もはやオリジナルとは大きく違うけどコレはコレでアリ!?

AI要約

新型ミニのピュアEVは期待を裏切らず、コンパクトで実用性の高いモデルとして登場した。

ミニは過去にEV試作車を生産したことがあったが、今回のクーパーSEは量産される初のピュアEVとなる。

新開発のEV専用アーキテクチャーを採用し、最新技術を駆使してEVに最適化されたプラットフォームが導入されている。

新型ミニ・クーパーは中身の進化がスゴい! もはやオリジナルとは大きく違うけどコレはコレでアリ!?

フルモデルチェンした新しい「ミニ」に設定されたピュアEV(電気自動車)は、期待を裏切らないコンパクトカーだった! 大谷達也がリポートする。

ミニ初の量産電気自動車(EV)、ミニ・クーパーSE 3ドアの国際試乗会がスペイン・バルセロナ周辺で開催された。

そう聞いて「いやいや、ずいぶん前にもミニのEVはあったでしょ?」と、気づいた読者は鋭い。

たしかにミニは2008年にも合計500台のEV、“ミニE”を生産したことがある。けれども、これは実用性などの調査を目的とした試作車で、市販はされなかった。そして2017年以降はミニ・クーパーS Eクロスオーバーを筆頭に数々の電動モデルをリリースしてきたけれど、これらはいずれもプラグインハイブリッドモデル(PHEV)。というわけで、エンジンを積まないピュアEVをミニが量産するのは、間違いなくこれが初めてだ。

今回はミニの定番である3ドア、それに5ドアSUVのカントリーマン(旧クロスオーバー)が同時に発売されたが、3ドアのEVのみ新開発のEV専用アーキテクチャーが採用された。これは、ミニ3ドアくらいコンパクトなボディだと、ひとつのアーキテクチャーでEVとエンジン車を作り分けるのが難しいことに起因しているようだ。裏を返せば、最新の技術を駆使してEVに最適化したプラットフォームがミニ3ドアに投入されたともいえるだろう。

ミニ3ドアのEVにはベーシックグレードのクーパーEと高性能版のクーパーSEが用意されていて、最高出力と最大トルクはクーパーEの184psと290Nmに対し、クーパーSEは218psと330Nmとより強力。なお、モーターはフロントに1基を搭載し、前輪を駆動する点は両グレードで共通とされている。

ふたつのグレードは搭載するバッテリーの容量でも差別化が図られていて、クーパーEは40.7kWh、クーパーSEは54.2kWhとなる。そして1充電あたりの航続距離はクーパーEが344kmでクーパーSEは446kmと発表されている(国内での認証値。WLTC)。いずれも必要にして十分、いや十分以上といっても過言ではない。

もうひとつ、このミニ3ドアEVで特徴的なのが、全数が中国国内で生産される点にある。より具体的には、BMWグループと中国の長城汽車が立ち上げた合弁会社である光束汽車の張家港工場で作られるそうだ。もしかすると、中国製と聴いて品質が気になる向きがいるかもしれない。少なくとも、私が試乗した範囲でいえば、内外装の作り込みは極めて丁寧で、走りの性能に関しても妙な心配は無用と請け負える。この点については、のちほど説明したい。