MUFGと三井住友FGがトヨタ株売却へ、1兆3000億円超-関係者

AI要約

三菱UFJフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループが政策保有株として持つトヨタ自動車の株式売却を検討していることが判明した。計画では、市場への影響を最小限に抑えるためトヨタによる自社株買いを活用し、段階的に売却される見通し。他の大手金融機関や損害保険会社も合わせると、総額3兆2000億円以上の売却が予定されている。

国内外からの圧力による政策株削減の動きは広がりつつあり、今回の売却が日本企業の取り組み加速を象徴する可能性がある。メガバンクや損保を含む大手企業が政策株の保有削減に動くなか、市場では他業界も同様の動きが予想されている。

金融庁は同問題をきっかけに各社に売却加速を要請し、政策株の売却が進む見込み。特に大手損保は保有をゼロにする方針を出しており、その影響で他の銀行なども売却を急ぐ傾向がある。

MUFGと三井住友FGがトヨタ株売却へ、1兆3000億円超-関係者

(ブルームバーグ): 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三井住友フィナンシャルグループ(FG)の2メガバンクが、政策保有株として持つトヨタ自動車の株式売却を検討していることが7日、分かった。大手金融機関による大規模なトヨタ株放出の動きが明らかになるのは初めて。

複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。2社のトヨタ株保有総額は時価で1兆3200億円。政策株をゼロにする方針を打ち出している損害保険会社4社の保有分を含めると、合計で3兆2000億円を超える規模のトヨタ株が売却されることになる。

2メガと損保4社の保有総額は、トヨタの時価総額の約6%に相当する。トヨタによる自社株買いを活用して段階的に売却することで市場への影響を最小限に抑えるという。

資本効率を低下させるなどの理由から政策株削減の動きは国内で広がっているが、依然として海外投資家などからの削減圧力は強い。国内最大の企業であり、メガバンクなど大手金融機関との持ち合い解消が遅れていたトヨタ株の売却が実際に進めば、日本企業の政策株削減の取り組み加速を示す象徴的な動きとなる。

ブルームバーグのデータによると、時価ベース(6日終値)でのトヨタ株の保有額は、MUFG傘下の三菱UFJ銀行が約7000億円、三井住友FG傘下の三井住友銀行が約6200億円。

複数の関係者によると、2メガバンクが保有するトヨタ株を複数年かけ、段階的に売却していく案が出ている。最終的に保有をゼロにするか、大幅に削減する。みずほフィナンシャルグループはトヨタ株を大規模に保有していない。

政策株の売却を巡っては、企業向け共同保険料の事前調整問題を受けて、大手損保が保有をゼロにする方針を打ち出している。同問題を起こした一因が政策株にあったとして、金融庁は各社に売却加速を要請した。損保問題をきっかけに、政策株を多く保有している銀行など他業界でも売却加速が進むとの見方が市場では出ていた。