FRB独立性、トランプ氏返り咲きなら損なわれる恐れ-MLIV調査

AI要約

トランプ前大統領の再選が連邦準備制度の独立性を脅かす可能性について、市場の懸念が高まっている。

トランプ氏が再度大統領になれば、連邦準備制度を政治化する試みが予想され、金融市場に影響を与える可能性がある。

債券市場や株式市場も影響を受ける可能性があるため、将来の展望に不安が広がっている。

(ブルームバーグ): トランプ前米大統領が返り咲きを果たした場合、連邦準備制度が強い政治的干渉で独立性を失うリスクはかなり大きくなると、最新のブルームバーグ「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」調査が示した。

トランプ氏がホワイトハウスを奪還すれば、連邦準備制度を政治化しようとしたり、その権限を制限しようとするだろうと、回答者484人の44%が回答。第2次トランプ政権が実現した場合、米金融当局が政治からの独立を失う確率を40%としている。

連邦準備制度の独立性を後退させようとする動きは、かなりのハードルに直面するだろうが、金融市場を揺るがし、米経済を監督する米金融当局への投資家の信頼を損ない、利下げを求める政治的圧力にさらす可能性が高い。この懸念は、当局がインフレ抑制と景気過熱防止のため政策金利を二十数年ぶりの高水準に維持している現在、特に深刻だろう。

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KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は、「連邦準備制度の独立性が実際に攻撃されれば、債券市場は動揺し、その影響は株式にも及ぶだろう」と語った。

トランプ氏が勝つ可能性に債券市場は既に不安を抱いているようだ。 回答者の約24%は、トランプ氏勝利なら米10年国債利回りが直ちに25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上昇すると予想。23%は、それよりは緩やかな上昇が可能性として最も高いと答えた。 4分の1弱は、利回りがやや低下すると見ている。

トランプ氏は大統領としての1期目、長年にわたる前例を破ってパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を公然と批判。最初は利上げしたことを非難し、その後は利下げが不十分だとしてさらなる金融緩和を要求した。 回答者の3分の1余りは、トランプ氏がソーシャルメディアや公の場での発言で連邦準備制度に要求を突き付けるだろうと答えたが、14%は2026年にパウエル氏が任期満了を迎える前にFRB議長を交代させると予想している。