アメリカの大学で広がるパレスチナ支援デモ 学生たちが訴える「DIVEST」とは?

AI要約

全米の大学に広がるパレスチナ支援の学生運動について。運動の背景や展開、学生と学長の関係に焦点を当てる。

アメリカの知を育む名門大学の学生たちがパレスチナ支援のデモを行い、政治的スローガンや資本主義批判も絡む。

アイビーリーグの一つ、コロンビア大学を中心に学生運動が勃発。学長の証言や辞任劇に注目が集まっている。

アメリカの大学で広がるパレスチナ支援デモ 学生たちが訴える「DIVEST」とは?

全米の数多くの大学で学生たちがパレスチナ支援のデモを行っている。ニューヨークにある名門コロンビア大学から始まった運動はすぐさま他州はもとより日本を含む他国の大学にも飛び火した。

当初からの運動スローガン「即時停戦」に、「DIVEST」(イスラエルへの投資をやめろ)が加わり、かつ政治家と大学当局による運動の阻止に対して「表現の自由」も主張している。アメリカの知を育む名門大学の学生たちは、パレスチナ人の命を救うために自らの思想を貫き、大学の行き過ぎた資本主義の是正を求めている。

アメリカの北東部にある名門私立大学8校で構成されるアイビーリーグの一つ、コロンビア大学では、4月17日にパレスチナ支援の学生たちが本キャンパスの中庭にテントを張っての座り込み(encampment)を開始した。同日、首都ワシントンD.C.では同校学長、ネマット・シャフィク氏へのアメリカ議会公聴会が行われていた。

今回のコロンビア大学長に先立ち、昨年12月にやはりアイビーリーグの2校であるペンシルベニア大学、ハーバード大学に加え、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学長が、アメリカ政府のイスラエル支持に反対する学生運動についての議会公聴会に召喚された。その際、共和党の議員たちは学長の答弁が反ユダヤ的であると厳しく糾弾し、後日、ペンシルベニア大とハーバード大の学長が辞任を余儀なくされた。

コロンビア大の学長も共和党議員に激しく追及されながらも、「反ユダヤ」のそしりを免れるための証言を行った。その証言内容を、学生たちと学生運動に賛同する教授たちは「言論の自由を保障しなかった」と批判。シャフィク学長はイスラエル支持派とパレスチナ支持派の双方から辞任要求の声を浴びたが、5月半ば現在も在任している。

なお、5月初頭にはコーネル大学の学長も学内の抗議運動に関して辞任しており、現時点でアイビーリーグ8校のうち、実に3校の学長が辞任する事態となっている。