カタルーニャ独立派の恩赦法成立 住民投票強行の元州首相に適用も

AI要約

スペイン下院がカタルーニャ独立派の政治家への恩赦法案を可決し、発効が近い。プッチダモン元州首相の帰国可能性も。

恩赦法は右派野党による否決を経て下院で再可決。サンチェス首相が「許すことの重要性」を強調。

独立運動関係者約400人が恩赦対象。カタルーニャ州独立宣言でスペイン政治に深刻な危機を招いた経緯。

カタルーニャ独立派の恩赦法成立 住民投票強行の元州首相に適用も

 スペイン下院(定数350)は30日、北東部カタルーニャ自治州の独立運動をめぐって反乱罪などに問われた独立派の政治家らに恩赦を認める法案を賛成多数で可決した。近く施行される見通しで、2017年に国外に逃れた独立派のプッチダモン元州首相の帰国につながる可能性がある。

 恩赦法は3月に下院で可決されたが、右派の野党が多数を占める上院で否決されていた。下院がこの日、賛成177、反対172で再可決したことで同法は成立した。サンチェス首相は同法成立後にX(旧ツイッター)で、「政治において力を持つのは、人生と同じように恨むよりも許すことだ」と述べた。

 AFP通信によると、法律は数日以内に施行される予定で、11年11月以降にカタルーニャ自治州の独立運動にかかわった政治犯ら約400人が恩赦の対象になる。

 カタルーニャ自治州の独立運動をめぐっては、17年に州政府の首相を務めていたプッチダモン氏が憲法裁判所の差し止め命令を振り切って住民投票を実施し、一方的に独立を宣言。右翼のフランコ独裁体制を経て1970年代から民主化が進んだスペインにとって最大の政治的な危機とされた。