香港国安条例で初逮捕、元民主派幹部ら 天安門事件関連のSNS投稿

AI要約

香港警察が国家安全維持条例違反の容疑で元民主派団体幹部ら7人を逮捕したことが報じられました。

逮捕された7人はSNSで扇動的な書き込みを行った疑いがあり、民主派団体の元副主席も含まれています。

逮捕は同条例違反で初めてのことであり、条例は表現の自由を脅かす可能性があるとして懸念されています。

香港国安条例で初逮捕、元民主派幹部ら 天安門事件関連のSNS投稿

 香港警察は28~29日、SNSに扇動的な書き込みを行ったとして、国家安全維持条例違反の容疑で元民主派団体幹部ら7人を逮捕したと発表した。香港メディアは3月に施行された同条例違反での逮捕は初めてと報じている。

 逮捕されたのは、民主派団体「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会、2021年解散)で副主席だった鄒幸トウ(丹へんに彡)氏=収監中=ら、37~65歳の男女。支連会は、中国で民主化要求運動が武力弾圧された1989年6月4日の天安門事件の追悼集会を香港で2020年まで開いてきた。

 警察は、鄒氏が他の6人と共謀してSNSへの投稿を4月に始め、「まもなく来る敏感な日を利用して、中国政府や香港政府に対する香港市民の恨みをかき立てようとした疑いがある」と主張している。香港メディアによると、投稿は天安門事件の追悼活動などに関する内容で、鄒氏らは4月末から6月4日に向けて毎日投稿すると表明していた。今年は天安門事件から35年にあたる。

 同条例は、国家分裂罪などを規定した香港国家安全維持法を補完する位置づけで制定された。スパイ罪や国家秘密窃取罪、「国外から干渉する罪」などの規定が盛り込まれ、香港の表現の自由が一層狭まるとの懸念が強まっていた。(金順姫)