香港、国安条例初の逮捕 天安門事件追悼で「扇動」

AI要約

香港警察が国家安全条例違反の容疑で著名な民主活動家を含む6人を逮捕。初めての同条例違反逮捕で、言論や表現の自由がさらに狭まる懸念が現実化。

逮捕の理由は、天安門事件の犠牲者追悼に関するインターネット投稿を扇動的と判断。投稿は6月4日の敏感な日に毎日行われる計画だった。

逮捕された民主活動家は過去に香港の追悼集会を主催し、民主派団体の副主席を務めてきた。

 【香港共同】香港警察は28日、国家安全条例違反の容疑で、収監中の著名な民主活動家、鄒幸トウ氏を含む6人を逮捕したと公表した。香港メディアによると、3月に施行された同条例違反での逮捕は初めて。

 警察は、中国当局が民主化要求運動を武力弾圧した天安門事件の犠牲者追悼を巡るインターネット投稿について「扇動の意図」があったとしている。同条例により香港の言論や表現の自由がさらに狭まるとの懸念が現実となった形だ。

 警察の発表などによると、鄒氏らは天安門事件に関して鄒氏が書いた文章を4月末からネットに投稿。同事件が起きた6月4日にかけて毎日投稿するとしていた。警察は、投稿は「敏感な日」を利用し、中国政府や香港政府への香港市民の恨みをかき立てる扇動の意図があると判断した。

 鄒氏は、2020年まで香港中心部のビクトリア公園で毎年6月4日に行われた追悼集会を主催してきた民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)」(21年に解散)で副主席を務めた。