EVの需要は完全に枯渇しているわけではない(海外)

AI要約

電気自動車市場は変化を遂げつつあるが、販売は鈍化しており、高級EVの需要が減少している。一方、手頃な価格のEV市場はまだ伸びる余地がある。

新世代の購買層はテスラなどの高価なEVに関心がなく、より実用的な選択肢を求めている。そのため、ハイブリッド車への需要が高まっている。

ただし、大手自動車メーカーは依然としてEV市場の拡大を目指し、数十億ドルの投資を行っている。EV市場の難局にもかかわらず、今後の発展が期待される。

EVの需要は完全に枯渇しているわけではない(海外)

最近の電気自動車に関するニュースは悪いものばかりに見えるかもしれない。

しかし、自動車メーカーが数十億ドル規模の投資から手を引く可能性は低い。

電気自動車を欲しい購買層はいるが、彼らはEVを買う予算がないだけだ。

電気自動車(EV)市場はこれまでにない大きな変化を遂げようとしているが、それは今のところ、あまりいい変化ではない。

ここ1年ほどEVの販売は鈍化している。大手自動車メーカーは以前掲げていたEVに関する目標を撤回しており、巨大EV企業のテスラでさえも失速している状況だ。

各企業が何年もかけて開発した高級EVは、ターゲットとなる購買層がすでにEVに乗り換えた後に市場に出回っている。一方、EVに関心のある新しい購買層は、自分に合った価格帯の車を見つけることができず、代わりにハイブリッド車を選んでいる。

かつて活況を呈していたEVのスタートアップ市場では、ウォール街の寵児だったリビアン(Rivian)は企業価値が急落し、フィスカー(Fisker)のように破綻の危機に瀕している企業もある。

このようにEV市場の頭数が減少していることから、最近では「バッテリー駆動車」革命に懐疑的な人々は多くのことを指摘している。だが、EVを完全に除外することは、EV市場が直面している困難な状況の裏にある大きな背景を無視することになってしまう。

高価なEVの需要は大幅に減少しているが、手頃な価格の市場にはまだ余地がある。

EVを購入する新世代は、アーリーアダプター(初期購入者)とは異なる選択肢を求めている。テスラにはあまり関心がなく、より倹約的で実用主義のこうしたが購買層は、EVを買い足すのではなく、ガソリン車をEVに買い替えることを検討している可能性が高い。

この消費者たちは、EVには自分たちのために作られたものがあまりないことに気づき、その代わりにハイブリッド車への需要が高まっている。

その結果、ここ数年に見られたEVセグメントの急成長率は鈍化している。だが全体的に見ると、EVの販売台数は依然として増加傾向にある。JDパワー(JD Power)によると、2024年4月の小売販売台数に占めるEVの割合は8.9%で、2024年第1四半期平均の8.3%から上昇しているという。

そしてこの話はそれほど単純ではない。現時点では、基本的にどの大手自動車メーカーも、EVをより多く販売する未来を描いている。そのためには何十億ドル(何千億円)もの投資が必要であり、経営陣は一夜にして手を引くようなことはしないだろう。