イスラエル、戦闘停止命じる暫定措置後もラファ攻撃続行…国際司法裁「人道被害は深刻」

AI要約

国際司法裁判所はイスラエルに対し、ガザのラファへの軍事攻撃を即時停止する暫定措置を命じた。

これまでにジェノサイドを防ぐよう求める暫定措置が出されていたが、ガザでの戦闘停止についての措置は初めて。

イスラエル政府は戦闘継続の意向を表明しており、南アフリカも暫定措置を求めていた。

 【ブリュッセル=酒井圭吾】国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は24日、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの軍事攻撃の即時停止を命じる暫定措置を出した。ロイター通信によると、イスラエル軍は暫定措置の発令後もラファへの攻撃を続けた。

 ICJは1月と3月に、イスラエルにジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう求める暫定措置を出したが、ガザでの戦闘停止に踏み込んだのは初めてだ。ICJの命令には法的拘束力が生じるものの、強制的な執行力はない。

 今回の暫定措置では、ラファを含めたガザの人道被害の深刻さを指摘し、「イスラエルはラファでの軍事攻撃を即時に停止しなければならない」と要求した。ガザ市民への人道支援拡大のため、ガザとエジプトの境界となるラファ検問所の開放も求め、命令に対する進捗(しんちょく)状況を1か月以内に報告することも命じた。

 これに先立ち、イスラエル政府の報道官は23日、記者団に対し、ICJの決定にかかわらず、戦闘を継続する考えを示していた。

 南アフリカが今月10日、ICJに暫定措置を出すよう求めていた。南アは昨年12月、イスラエルの攻撃がガザ住民へのジェノサイドにあたるとして提訴した。