国際司法裁、イスラエルにラファ軍事作戦の「即時停止」命令

AI要約

国際司法裁判所はイスラエルにラファでの軍事作戦を即時停止するよう命じた。

人道状況が悲惨であり、国際社会からの圧力が高まっている。

イスラエル当局者は判断を非難し、過去には判断が無視されることもあった。

国際司法裁、イスラエルにラファ軍事作戦の「即時停止」命令

(CNN) 国際司法裁判所(ICJ)は24日、イスラエルにパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファでの軍事作戦を即時停止するよう命じた。イスラム組織ハマスに対するイスラエルの戦闘への国際的な圧力がさらに強まった。

ICJのサラム裁判長は「イスラエルはガザ地区のパレスチナ人の全部または一部の破壊につながりかねない生活状況をもたらす可能性のあるラファでの軍事作戦、及びその他のあらゆる行動を即時停止する必要がある」と述べた。

そのうえで、ラファでの人道状況は「悲惨」に分類されるとの認識を表明。国連職員の間で、イスラエルがラファでの作戦を継続すれば、状況は「さらに悪化する」との指摘が出ていることも明らかにした。

イスラエルは今月7日、米国を含む国際社会からの自制の呼び掛けに応じず、ラファでの限定的な地上攻勢を開始した。

イスラエルが作戦を開始する前、ラファには100万人を超えるパレスチナ人が避難していたが、ICJによると約80万人が再び避難を強いられた。

ラファ入りしたイスラエル軍はエジプトとの境界にある検問所を奪取。以降、検問所は閉鎖されている。この検問所は人道支援物資の重要な入り口となっていた。

ICJの判断は終局的で拘束力を持つが、履行を強制するメカニズムはなく、過去には無視されてきた。

イスラエルの当局者はICJの判断を非難。イスラエルの野党イェシュ・アティドを率いるヤイル・ラピド氏は、「ICJがラファでの軍事作戦終了と人質解放、テロに対するイスラエルの自衛権とを直接結び付けなかったのは、忌むべき道徳的過ちだ」と指摘した。