ロレックスの中古価格、2年以上にわたって下落…新品が店頭で購入しやすくなった(海外)

AI要約

リセール市場の冷え込みにより、ロレックスの中古価格は2年以上にわたり下落している。

中古のロレックスが、パンデミック時代の狂乱取引を経て、現実世界に戻りつつある。

リセール価格の下落により、新品の小売売上高も年内に5%下がる可能性があるとオーバンは指摘している。

ロレックスの中古価格、2年以上にわたって下落…新品が店頭で購入しやすくなった(海外)

リセール市場の冷え込みにより、ロレックスの中古価格は2年以上にわたり下落している。

それでも、二次市場のロレックス・モデルの3分2以上は、小売市場のものよりも価値が高い。

価格が落ち着いている大きな理由のひとつは、購入可能なものが大幅に増えているということだ。

中古のロレックス(Rolex)が、パンデミック時代の狂乱取引を経て、現実世界に戻りつつある。

リセール価格は直近の四半期でさらに2.2%下落、ウォッチ・チャーツ(Watch Charts)のマーケット・インデックス(Market Index)全体は2.1%、9四半期連続のマイナスとなった。

モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のアナリスト、エドワール・オーバン(Edouard Aubin)はメモの中で「二次価格は直ぐには安定しそうもない」と述べた。

リセール価格の下落により、新品の小売売上高も年内に5%下がる可能性があるとオーバンは指摘している。

中古市場は、2022年3月のピークから2年以上が経過し、一部の時計モデルの価格高騰というバブルと、それに対する市場の反応について、より明確なデータが示された。

ロレックスの場合、コスモグラフ・デイトナ(Cosmograph Daytona)やスカイドゥエラー(Sky-Dweller)といったモデルで価格が高騰し、1年強でブランド全体の指標を約40%押し上げた。

これらの評価額が高騰した後、中古腕時計が大量に市場に出回り、供給量は3倍以上になった。それに連動して価格が劇的に下落したとモルガン・スタンレーはウォッチ・チャーツのデータを分析している。

だが、たとえ価格が落ち着いているとしても、リセール市場の約3分の2のモデルは依然として、正規販売店の新品よりも価値が高い(1年前は約4分の3が新品より高かった)。

こうした希望小売価格以上の価格が、供給量をリセール市場に引き付け続け、今では2021年初めの4倍もの中古腕時計が出回っている。

基本的な経済原理により、この供給量の増加は、市場のバランスがとれるまで、価格をさらに引き下げる可能性が高い。

モルガン・スタンレーが明らかにしたこの傾向のもうひとつの効果は、新品のロレックスが店頭で購入しやすくなっているということだ。

以前、リセール価格が小売価格よりもはるかに高かった頃は、「転売ヤー」たちが使うつもりのない腕時計を買い占め「人為的に一次市場の供給を抑制していた」とオーバンは書いている。

転売であまり稼げなくなった今、新品の入荷待ちはパンデミック以前の基準に戻りつつある。

ロレックスのジャン=フレデリック・デュフール(Jean-Frédéric Dufour)CEOは4月、スイスの新聞NZZのインタビューでバブルについて「問題がある」と表現した。

「腕時計が株に例えられるのは好きではない。誤ったメッセージを送ることになってしまい、危険だ。我々は製品を作るのであって、投資をするのではない」とデュフールは述べた。

オーバンによると、選択肢も増え価格もさまざまであるため、スイス製高級腕時計は今、買い手市場になっているという。