フランスのオオカミ、1003頭に 過去10年で初減少、家畜被害は増加

AI要約

フランスの環境団体が発表した報告によると、昨年の国内のオオカミ生息数は前年比9%減の推定1003頭となった。

過去10年で初めての減少となり、オオカミの保護が課題となっていることが指摘されている。

フランス政府は被害に苦しむ畜産業者への支援を拡大する方針である。

 【リヨン(仏)AFP時事】フランスの環境団体は23日、昨年の国内のオオカミ生息数は前年比9%減の推定1003頭だったと発表した。

 減少は過去約10年で初めてという。団体側は「オオカミの保護がうまくいっていないことは明らか」と指摘。政府に駆除を減らすよう求めた。

 オオカミは仏国内で一時姿を消したが、1990年代から徐々に増えた。しかし、それに伴い食害も増加。畜産農家などによると、2022年には家畜が襲われるケースが1万2000件あった。牧羊業者の団体は「今年は被害が増加すると見込んでいる」としている。

 現在、フランスではオオカミの生息数全体の19%まで駆除が可能だが、牧羊団体は処分数を増やすよう求めている。

 欧州連合(EU)は現在、オオカミを「厳重に保護」する動物に分類。フランス政府は被害に悩む畜産業者への支援を拡大する方針だ。