米政権高官、台湾取り囲む中国の軍事演習で自制要求 「エスカレートの危険性ある」

AI要約

バイデン米政権高官は、中国人民解放軍が台湾の新総統就任に合わせて軍事演習を開始したことを非難し、中国に自制を求める発言を行っている。

彼らは台湾周辺での軍事演習が状況をエスカレートさせる危険性があると警告し、中国の挑発的な行動を批判している。

バイデン政権は中国との対話を進めつつ、米軍の平和と安定に向けた態勢に自信を持っていることを強調している。

【ワシントン=坂本一之】バイデン米政権高官は23日、中国人民解放軍が台湾の頼清徳新総統の就任に合わせ台湾を取り囲む形で軍事演習を開始したことに関し、「中国の行動は(状況を)エスカレートさせる危険性がある」と非難し自制を求めた。

高官は「中国人民解放軍による台湾海峡や台湾周辺での軍事演習」への懸念を表明。「自制して行動するよう強く求める」と述べ、緊張を高めないよう促した。

また、台湾における「通常の政権移行を挑発的、威圧的な措置の口実に使うべきではない」と批判した。台湾と緊密に連携しつつ「注意深く監視していく」とも述べ、中国を牽制(けんせい)した。

高官はインド太平洋地域に展開する米軍に関し、「平和と安定に向けた現在の態勢と作戦に自信を持っている」と強調した。

バイデン政権は中国の国防当局・軍高官との対話を進めている。オースティン米国防長官はシンガポールで5月31日から開かれるアジア安全保障会議(通称シャングリラ対話)に合わせて中国の董軍(とうぐん)国防相と初の対面会談を実施する予定と報じられており、実現した場合には今回の軍事演習などにも触れるとみられる。