ヨハンソンさんが盗用訴えたChatGPTの声 米紙「別の女優」

AI要約

米紙ワシントン・ポストは、女優スカーレット・ヨハンソンがオープンAIの対話型人工知能サービスの音声と自らの声が酷似していると訴えたが実際は違う女優の声だったと報じられた。

チャットGPTは複数の声優から選ばれた声を使用しており、ヨハンソンの声に似ているスカイと名付けられた声が問題視され、その使用は停止された。

事実、スカイの声作りに協力した女優はヨハンソンに接触する前に採用されており、オープンAI側からの依頼時にヨハンソンや『her』についての言及はなかったと証言された。

ヨハンソンさんが盗用訴えたChatGPTの声 米紙「別の女優」

 米紙ワシントン・ポストは22日、女優のスカーレット・ヨハンソンさんがオープンAI社の対話型人工知能(AI)サービス「チャットGPT」の音声が自身の声に酷似していると訴えた問題で、「音声は別の女優の声」だと報じた。関係者の証言だけでなく、音声テストの録音記録も確認したという。

 チャットGPTは2023年9月に音声サービスを開始し、5種類の声を採用した。この際に、25~45歳くらいに聞こえる▽ぬくもりや魅力、カリスマ性がある▽俳優らの労働組合に非加入――という条件を挙げ、応募した400人以上の俳優・声優から絞り込んだ。

 このうち「スカイ」と名付けられた声が、映画「her/世界でひとつの彼女」でAI役で声の出演をしたヨハンソンさんに似ていると指摘されていた。オープンAIは今月19日にスカイの使用を停止すると発表。ヨハンソンさんが20日、同社側から23年9月に協力を依頼されていたと明らかにしたことで、盗用の疑念が深まっていた。

 しかし、ワシントン・ポストによると、実際にスカイの声作りに協力した女優は、オープンAIがヨハンソンさんに接触する数カ月前に採用されていた。この女優は代理人を通じて「オープンAI側から(依頼時に)ヨハンソンさんや『her』に関する言及はなかった」と同紙に証言した。【フェニックス(米西部アリゾナ州)秋山信一】