米映画俳優組合、ヨハンソンさん支持 チャットGPT音声酷似問題

AI要約

米映画俳優組合がAIの音声機能に関する懸念を表明し、スカーレット・ヨハンソンさんを支持する声明を発表した。

一部の音声が組合員らの声や肖像を無許可で複製している可能性があり、議論が巻き起こっている。

組合はオープンAIなど関係者と協力し、透明性のある保護策を確立する考えを示している。

米映画俳優組合、ヨハンソンさん支持 チャットGPT音声酷似問題

 全米の俳優ら約16万人が加入する米映画俳優組合は21日、米オープンAIが提供する対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の音声機能について、一部の音声が「自分の声に酷似している」と懸念を表明した女優スカーレット・ヨハンソンさんを支持する声明を発表した。無許可のデジタル複製から組合員らの声や肖像を保護するため、オープンAIや他の関係者らと協議する考えも示した。

 声明は「組合員にとって極めて重要な問題について発言してくれたヨハンソンさんに感謝する」と強調。「私たちは彼女の懸念を共有し、開発の際に使われた声に関して彼女が明確さと透明性を確保する権利を全面的に支持する」と表明した。

 チャットGPTに使われている音声については、その一つ「スカイ」がヨハンソンさんが映画「her/世界でひとつの彼女」で声を担当したAI型OS(基本ソフト)「サマンサ」にそっくりだと話題になった。

 オープンAIは20日、「チャットGPT、特にスカイの音声をどう選んだのかという問い合わせを受けている。それに対応する間、スカイの使用を停止する」とX(旧ツイッター)に投稿。一方、ヨハンソンさんは同日、自分の声を使いたいというオープンAIの依頼を断ったが、「不気味なほど似ている声」が採用されていることを知って経緯を開示するよう求めたところ、オープンAI側がこの声の利用停止に「渋々」応じたという経緯を明らかにしていた。

 組合は声明で、オープンAIが懸念に応えてスカイの使用を一時停止したことを歓迎したうえで、「業界関係者らと協力し、私たち全員のために、透明性があり弾力的な保護策を確立することを楽しみにしている」とした。【ワシントン西田進一郎】