イタリア「世界一美しい帆船」も…ぞくぞくと日本に入港した海外の「海軍帆船」、その圧巻の光景

AI要約

報道カメラマン生活40年、さまざまな動く乗り物を撮影し、乗り物にも乗り込んできた経験を持つ不肖・宮嶋。特に、海軍所属の練習帆船に初めて出会い、その美しさに魅了される。

帆船は古くから海の上の主要な乗り物であり、映画や漫画でもしばしば登場する。日本でも帆船の伝統や美しさは広く知られている。

帆船の魅力について考察し、21世紀になっても多くの人々を惹きつけている理由を不肖・宮嶋は理解できないが、今回初めて「クアウテモック」と「アメリゴ・ベスプッチ」という軍艦の帆船に出会い、その美しさに驚く。

イタリア「世界一美しい帆船」も…ぞくぞくと日本に入港した海外の「海軍帆船」、その圧巻の光景

不肖・宮嶋、報道カメラマン生活40年、深海に潜む潜水艦から大空を駆け巡る超音速の戦闘機、雪原を疾走する雪上車から砂漠の戦車まで、今まであまたの動く乗り物を撮影してきたばかりか、実際乗ってきた。海に浮かぶ艦船に限ってもわずか数十トンの漁船でいまや中国公船が跳梁跋扈する尖閣諸島周辺まで荒波越えて行ったわ、1991年にはわずか2000トンの平底輸送艦でカンボジアまで、その間、船の墓場と恐れられたバシー海峡で台風に遭遇,丸々1週間漂流し続けたこともあった。1996年には先代砕氷艦「しらせ」で吠える40度、狂う50度、叫ぶ50度と恐れられた暴風海域を抜け南極大陸にまでたどり着いた。空飛ぶもんならF-15戦闘機まで乗ったが、未だ乗ってないのはスペースシャトルぐらい、いやまだあった。帆船や。かくしてやっとめぐり合った帆船撮影の機会、しかもただの帆船ではない。

軍艦なのである。正式には練習帆船、海軍所属のである。ひとつはメキシコ海軍の練習帆船「クアウテモック」、もひとつは世界一美しいといわれるイタリア海軍の練習帆船「アメリゴ・ベスプッチ」である。それにしても遠目からでもわかる横須賀に初入港した「クアウテモック」のこの容姿、高さは入港時、そのすぐそばを通り過ぎた海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」をも凌ぐんちゃうかと見えるほど、いや殺風景な灰色の軍艦とは似ても似つかぬその優雅な美しさは初めて見るのにもかかわらず、ノスタルジーすら感じさせられるほどである。それもそのはずである。

帆船といえばハリウッド映画「パイレーツ オブ カリビアン」でも出てくるんは海賊船もロイヤル・ネイビー(英国海軍)もみーんな帆船である。日本でも「ワン・ピース」(集英社ですが)の主人公ルフィの「サウザンド サニー号」も帆船である。まあ架空の話どころか史実でも幕末でペリーの黒船が浦賀沖に現れるまでは日本人は海の上の乗り物は木造の帆船しか見なかったのである。そして、現在もヨットも帆船の一種やし、日本にも海技教育機構の練習船「日本丸」と「海王丸」という代表的な帆船があったし、その美しさから「海の白鳥」とまで呼ばれとるし、「アメリゴ・ベスプッチ」たるや「世界一美しい」と自認しとるのである。

そんな帆船の美しさに魅了されたのか、昨年亡くなった松本零士氏の産み出したキャラクター「キャプテン・ハーロック」の「アルカディア号」や「クイーン・エメラルダス号」にも帆船を意識した翼や装備が備わる。なんで21世紀にもなってかように帆船が海の男のみならず、洋の東西問わず老若男女を魅了し、それを操る海賊どもまでがヒーローとしてもてはやされるのか不肖・宮嶋さっぱり分らんかった。それくらい帆船とは縁が薄かったのである。この「クアウテモック」や「アメリゴ・ベスプッチ」を見るまでは。