クアッド首脳会合 海洋安保や災害対応の連携強化で合意へ バイデン私邸で日米会談

AI要約

バイデン米大統領は日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」首脳会合を開き、海洋安全保障や災害対応の連携強化を打ち出す。

クアッド首脳会合では海洋監視の強化や海上保安当局の連携で合意し、自衛隊の航空機や船舶の活用で一致する。

バイデン氏は岸田首相との日米首脳会談を開き、北朝鮮や南シナ海の問題について共同声明に明記。四国連携の重要性を強調する。

【ワシントン=坂本一之】バイデン米大統領は21日、地元の東部デラウェア州ウィルミントンで日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」首脳会合を開き、中国を念頭に置いた海洋安全保障や、軍を活用した災害対応の連携強化を打ち出す。バイデン氏は同日、岸田文雄首相を自宅に招き日米首脳会談も開く。

米政府高官によると、クアッド首脳会合では、違法操業に関する海洋監視の強化や海上保安当局の連携などで合意する。米沿岸警備隊の巡視船に日本の海上保安庁、オーストラリア国境警備隊、インドの沿岸警備隊の職員が乗船し連携を図る。また、人道支援や災害救援で、米豪印の各軍と自衛隊の航空機や船舶の活用で一致する。

会合後に発表する共同声明には北朝鮮や南シナ海の問題について明記する。中国の覇権主義的行動が拡大する中、「自由で開かれたインド太平洋」を掲げるクアッドの重要性を強調し、4カ国の連携を内外に示す。

バイデン氏はクアッド会合に先立ち日米首脳会談を開き、岸田首相と取り組んだ国際課題などを振り返り、日米同盟の重要性を確認する。

また、バイデン氏は20日、私邸でアルバニージー豪首相と会談し、「台湾海峡の平和と安定の維持」に向けた取り組みを協議。ウクライナ支援の継続などを話し合った。

岸田首相は東京出発に際し、クアッドについて「協力を一層深化させ、地域の安定、安全、繁栄の確保につなげたい」と公邸で記者団に述べた。

首相はこのほか、イタリアのメローニ首相や国連のグテレス事務総長、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らとの会談も検討。24日に帰国する。