バイデン政権、USスチール買収阻止の発表は先送りか 米報道
AI要約
バイデン政権は日本製鉄によるUSスチール買収阻止の発表を遅らせる方針を示すが、買収反対の意向は変わらず、経済界や民主党支援団体の意向に配慮している。
対米外国投資委員会が買収に国家安全保障上の懸念を示し、バイデン大統領に阻止を勧告したが、政治的事情から買収に反対する決定が遅れる可能性がある。
日米の経済界からは政治的圧力の影響を懸念する声が上がり、USスチールの経営や東部ペンシルベニア州の経済に影響が出る可能性も指摘されている。
米紙ワシントンポストは13日、バイデン米政権が日本製鉄によるUSスチール買収阻止の発表を遅らせる方針と報じた。買収反対の意向に変わりはないが、経済界など各方面からの懸念に配慮したという。政権が判断を示すのは、11月の大統領選以降になる可能性もあるとしている。
ワシントンポストなど複数の欧米メディアは4日、事情に詳しい関係者の話として、「バイデン政権が買収阻止を近く正式発表する方針」と報道。対米外国投資委員会（CFIUS）が買収に国家安全保障上の懸念があるとバイデン大統領に勧告し、バイデン氏が阻止を発表するとの見方が強まっていた。
だが、バイデン政権が買収に反対するのは、11月の大統領選に向け、民主党の支持基盤である全米鉄鋼労組（USW）の意向を尊重せざるを得ない「政治的事情」とみられている。
日米の経済界から「政治的圧力が審査に不当な影響を与えてはならない」と反発が起きているほか、買収計画が破談となればUSスチールの経営が悪化し、製鉄所のある東部ペンシルベニア州の経済にも悪影響が出るとの懸念が出ていた。【ワシントン大久保渉】
