ウクライナ長射程兵器 「使用容認なら…」プーチン氏が欧米けん制

AI要約

ウクライナが欧米に対して長射程ミサイルの使用を認めるよう求めており、プーチン露大統領はNATOや米欧がロシアと戦う可能性を示唆してけん制している。

プーチン氏は、長射程ミサイルの運用はNATO諸国のみができると主張し、その使用可否はNATO諸国のウクライナへの関与につながると述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は欧米に対して長射程ミサイルの使用制限解除を求め続けており、英米はまだ認めていない。

ウクライナ長射程兵器 「使用容認なら…」プーチン氏が欧米けん制

 ウクライナが長射程ミサイルを供与した欧米に対してロシア領内への攻撃を認めるよう求めていることを巡り、プーチン露大統領は12日、容認された場合は「北大西洋条約機構(NATO)や米国、欧州諸国がロシアと戦うことを意味する」と述べ、けん制した。露北西部サンクトペテルブルクで露メディアの取材に応じて語った。

 プーチン氏は、長射程ミサイルの運用は、基本的にはNATO諸国の軍人だけができるとの見方を主張した。ミサイル使用の可否を決めることは、「NATO諸国がウクライナでの紛争に直接関与するか否かを決めることだ」と訴えた。

 その上で、欧米が露領内へのミサイルの使用を認めた場合には「紛争の本質が変わる」と指摘し、「我々に降りかかる脅威に対して、しかるべき決定を下すだろう」と述べた。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、欧米に対して長射程ミサイルの使用制限を解除するよう繰り返し求めてきた。米国のブリンケン国務長官と英国のラミー外相は11日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)で記者会見を開き、制限解除について検討する考えを示した。

 英米はこれまでのところ、戦闘の激化などを懸念して、露領内への長射程ミサイルの使用を認めていない。【モスクワ山衛守剛】