米英外相「ウクライナ支援ミサイルの射程距離制限解除を検討」

AI要約

ウクライナに支援されたミサイルの射程距離制限解除を検討する米英外相。ロシアの核脅威と戦争拡大への懸念からこれまで許可されていなかったが、イランのミサイル支援が明らかになり状況が変化。

ウクライナの射程距離制限解除への期待。米英外相会談後、射程距離制限の解除が議論される可能性。米国の立場が不透明な中、ロシアの反発も強い。

ロシアの北朝鮮によるウクライナ侵攻支援の報告と、核戦争リスク。国際情勢が緊迫し、様々な懸念が広がる中での動き。

米英外相「ウクライナ支援ミサイルの射程距離制限解除を検討」

米国と英国の外相が「ウクライナに支援したミサイルの射程距離制限を解除するための緊急検討に入った」と明らかにした。米国はロシアの核の脅威と戦争拡大を懸念し、これまでウクライナが米国産ミサイルでロシア本土を打撃することを許可しなかった。しかし最近はロシアに対するイランのミサイル支援事実が確認され、立場が変わる状況だ。

ブリンケン米国務長官とラミー英外相は11日(現地時間)、ウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。会談後の共同記者会見でブリンケン長官は「(ミサイル射程距離制限の解除を)緊急検討する」と述べた。ガーディアンによると、英国は自国産の空対地巡航ミサイル「ストームシャドウ」(最大射程距離560キロ)の射程距離制限を解除することにした。しかしストームシャドウが米国産部品を使用しているため実際の解除には米国の承認が必要な状況だ。

13日に米ワシントンで予定された米英首脳会談で射程距離制限の解除が最終的に議論される可能性があるという見方も出ている。ただ、専門家らは「解除方針を決めてもロシアを刺激しないために米国がこれを公開発表しない可能性もある」と話す。

ウクライナは米国産戦術地対地ミサイルのエイタクムス(ATACMS、最大射程距離300キロ)の射程距離制限解除を望んでいるが、米国がこれを許容するかは不透明だ。フィナンシャルタイムズ(FT)は「(米国)国務省はウクライナの要請を受け入れようとするが、国防総省は懐疑的な立場」と雰囲気を伝えた。米国防総省はロシアが爆撃機をエイタクムスの射程距離の外側に移動させただけに射程距離制限解除の実効性に疑問を抱いている。

一方、ウクライナは「ロシア本土打撃が認められる場合、ロシアは戦闘機を後方に移動させなければならず、結果的にロシア戦闘機の出撃回数が減る」と米国側を説得している。英政府関係者は「ニューヨークで今月22、23日に開かれる国連総会の前に米国が立場の変化を見せる可能性があると」とタイムズ紙に話した。

ロシアはこうした動きに強く反発している。この日、ボロジン露下院議長は「ウクライナの長距離武器使用を許容する場合、米国と同盟国を戦争当事国と見なす」と脅迫した。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は射程距離制限の解除について「(西側が)すべての決定をすでに下した」とし、座視しないという態度を見せた。プーチン大統領の外交策士と呼ばれるセルゲイ・カラガノフ氏は現地メディアのインタビューで、ロシアが全面的な核戦争を起こさずウクライナを支援する北大西洋条約機構(NATO)加盟国に制限的な核攻撃を始める可能性があると主張した。

一方、この日「ロシアのウクライナ侵攻に北朝鮮が持続的に武器を支援している」という内容の報告書が出てきた。英国の武器監視団体「紛争兵器研究所(CAR)」は報告書で「ウクライナに発射されたミサイルの残骸を調査した結果、北朝鮮製弾道ミサイルと確認された」とし「一部のミサイル部品には北朝鮮の主体年号で2024年を意味する『113』が表示されていた」と明らかにした。また「これらミサイルを『北朝鮮版イスカンデル』と呼ばれるKN-23、『北朝鮮版エイタクムス』と呼ばれるKN-24またはその改良型」と推定した。