ロシア企業建設のトルコ原発、独企業が部品納入を保留

AI要約

トルコの原子力発電所建設が遅れている理由として、ロシアのロスアトムが所有するアックユ原子力発電所に関する主要部品の供給が保留されたことが明らかになった。

シーメンス・エナジーが部品の供給を保留したことは、ウクライナ侵攻を受けた西側のロシア制裁の影響かもしれない。ロスアトムは代替部品を中国企業に発注して対応している。

トルコとロシアのアックユ原子力発電所建設計画は遅れが生じ、トルコはシーメンス・エナジーとの協力関係を見直す可能性もある。

Huseyin Hayatsever Can Sezer

[アンカラ 11日 ロイター] - トルコのバイラクタル・エネルギー・天然資源相は11日、ロシアの国営原子力企業ロスアトムが建設、所有するアックユ原子力発電所に対し、独シーメンス・エナジーが主要部品の供給を保留したため、1号機の始動が数カ月遅れると明らかにした。トルコ国営アナドル通信が伝えた。

バイラクタル氏はシーメンスの決定について、ウクライナ侵攻を巡る西側の対ロシア制裁に起因している可能性があるとの認識を示した。同氏によると、ロスアトムは既に中国企業に代替部品を発注した。

シーメンス・エナジーの広報担当者は、ドイツの輸出規制により一部部品がトルコに納入されなかったことを確認した。

アックユはトルコ初の原発で、当初は1号機が2023年に稼働を開始する予定だったが、計画が25年にずれ込んでいる。

バイラクタル氏は、シーメンス・エナジーとトルコは長年協力してきたが、納入の遅れを巡って罰金を検討する可能性があると述べた。

トルコとロシアは2010年にアックユ原発の建設で合意。13年に着工し、18年から建設が加速した。

トルコはロシア、ウクライナ双方と密接な関係を保っており、欧米の対ロシア制裁に反対している。