イーロン・マスクがブラジルだけを攻撃する理由…中国について沈黙を守るのはテスラのため(海外)

AI要約

イーロン・マスクはブラジルでのソーシャルメディア利用禁止に反対し、中国で同様の禁止については沈黙している。その差はテスラの中国依存に関連している可能性がある。

ブラジル最高裁がXの利用を禁止したことに対し、マスクは民主主義への脅威として非難している。しかし、中国での同様の禁止には触れていない。

テスラが中国市場に依存していることから、マスクの言論の自由に対する態度には違いがある可能性がある。

イーロン・マスクがブラジルだけを攻撃する理由…中国について沈黙を守るのはテスラのため(海外)

イーロン・マスクは、2024年8月末のブラジルでのXの利用禁止を受け、言論の自由を理由に同国を攻撃し続けている。

だが、自称「言論の自由絶対主義者」であるマスクは、中国で長く続いているXの利用禁止については沈黙している。

この2国に対する差は、テスラが中国に依存していることに関係しているのかもしれない。

イーロン・マスク(Elon Musk)の言論の自由に対する態度は、相手国によって異なるようだ。

2024年8月30日、ブラジルの最高裁判所がXの使用を禁止を決定して以来、億万長者のソーシャルメディアオーナーで、自称「言論の自由絶対主義者」であるマスクは、この動きに対する失望とそれが民主主義への脅威だと考えていることについて公の場で語ってきた。

「言論の自由は民主主義の基盤であり、ブラジルの選挙で選ばれていないニセ裁判官が、政治のためにそれを破壊している」と、ブラジルのアレクサンドル・デ・モラエス(Alexandre de Moraes)最高裁判事がXの利用禁止命令を出した後、マスクはXに投稿した。

ブラジルはXにとって5番目に大きな市場であるため、マスクがこの決定に激怒するのもビジネスの観点からは当然だ。マスクは約2年前に総額440億ドル(当時のレートで約6.5兆円)を投じて買収したX(旧Twitter)に投稿して、ユーザーを維持するための戦いを続けている。

そうは言っても、マスクの言論の自由絶対主義が、なぜ彼が深く関わっている別の国にまで及ばないのかを問う価値はあるだろう。

中国でマスクは五つ星の待遇でもてなされたり、最も影響力のある政財界のリーダーたちと面会する機会を与えられてきたが、同国は長い間、欧米のソーシャルメディアの使用を禁じている。そのひとつがXで、2009年から禁止されている。

中国政府は、天安門事件20周年のわずか数日前に、当時ツイッターだったこのアプリへのアクセスをブロックする措置を取った。当時、このアプリは意見を共有するプラットフォームを求めるネットユーザーの間で人気を集めていた。

この対照的な状況には理由がある。マスク帝国で最も重要な企業であるテスラ(Tesla)は、中国を味方につける必要があるのだ。