「焦げ臭い」と通報してもホテル側は確認もせず…これが韓国の現状だ【8月24日付社説】

AI要約

京畿道富川市中心部のホテルで発生した火災で7人が犠牲になり、その原因や基本的な対応が欠けていたことが明らかになった。

宿泊客の一部が火災の前に臭いを感じていたにも関わらず、スタッフの対応が適切ではなかったことや、エアマットの使用方法が守られなかったことが事故をさらに悪化させた。

韓国では火災対策に対する意識が低いため、今後も同様の悲劇が起こる可能性がある。

「焦げ臭い」と通報してもホテル側は確認もせず…これが韓国の現状だ【8月24日付社説】

 京畿道富川市中心部のあるホテルで火災が発生し、宿泊客7人が犠牲になった。9階建てのホテル8階の客室が火元で、ホテル全体に燃え移ることはなかったが、煙が広がった影響で犠牲者が増えた。死亡した7人のうち5人が窒息死で、残り2人は消防隊員が地上に設置したエアマットに8階から飛び降りたが、マットがひっくり返ったため死亡した。非常に悔やまれる結果だ。

 今回の火災について専門家は「火事への備えと緊急対応の基本を守らなかったため被害が拡大した」と指摘する。火災が発生する直前、ある宿泊客がフロントに「焦げくさい臭いがするので部屋を移してほしい」と要請し、別の客室に移動したという。直後に焦げくさい臭いがしたその部屋から火災が発生した。ホテルで部屋から臭いがしたのなら、ホテルのスタッフは客室で原因を確認するのが当然であり、まさに基本中の基本だ。ところがスタッフはそれをせず、結果的に大惨事へとつながってしまった。

 エアマットも同様だ。今回の火災で使用された問題のエアマットは10階の高さから飛び降りても大丈夫なように設計されていた。ところが8階から飛び降りた女性客がマットの端に落下したためマットがひっくり返り、影響で数秒後に飛び降りた男性は地上にそのまま落下した。専門家によると、エアマットは4人の消防隊員が4つの端をつかみ、その上で合図をして飛び降りるのが原則だという。ところが当時消防隊員らは現場から離れ、合図を送る様子も確認されていない。消防署にはエアマットを使用する際のマニュアルもなかったという。エアマットによるこの事故も基本を守らなかったため起こったといえよう。火災が起こったこのホテルには緩降機もあったが、誰も使わなかった。使い方を知らなかったのだろう。韓国ではこれらの器具に普段から誰も関心がなく、使い方が教えられることもない。

 このホテルは2003年に完成したため、スプリンクラーは設置されていなかった。2005年よりも前に建設されたマンションにもスプリンクラーや緩降機などはほとんど設置されていない。火災による大惨事はいつ起こるかわからないが、「まさかそんなことが」と誰もが思いながら生活しているのが今の韓国の現状だ。