ナチス強制収容所の99歳速記係に有罪 収容所めぐる最後の判決か

AI要約

ナチス・ドイツの強制収容所で速記係として働き、1万人以上の殺害を手助けした罪に問われた99歳の女性の上訴が棄却され、禁錮2年の地裁判決が確定した。

被告はシュツットホフ強制収容所で速記係として働き、1万505人の殺害と5人の殺人未遂を手助けした罪を犯した。同収容所では約6万5千人のユダヤ人が犠牲になった。

被告側は上訴し、収容所の実態を知っていたかどうかを争ったが、最終的に棄却された。

ナチス強制収容所の99歳速記係に有罪 収容所めぐる最後の判決か

 ドイツ連邦裁判所は、ナチス・ドイツの強制収容所で速記係として働き、1万人以上の殺害を手助けした罪に問われていた被告の女(99)の上訴を棄却した。これで執行猶予つき禁錮2年の地裁判決が確定した。強制収容所での残虐行為に関わった当事者の死亡や高齢化で、ドイツメディアは、強制収容所をめぐる「最後の判決」になる可能性があるとしている。

 20日の判決によると、被告は1943年6月~45年4月、現在のポーランド北部にあったシュツットホフ強制収容所の所長室で、唯一の速記係として働いていた。書類作成などの仕事を通じてユダヤ人らのガス室での殺害などに関係したとして、1万505人の殺害と5人の殺人未遂の実行を手助けした罪で、2022年12月にドイツの地裁で有罪判決を受けた。同収容所ではユダヤ人ら約6万5千人が犠牲になったとみられている。

 独メディアによると、被告側はこれを不服として上訴し、被告が収容所の実態を知っていたかどうか証明できていないなどと主張していた。