パウエルFRB議長がジャクソンホール講演で市場を驚かせる可能性は?…ゴールドマン・サックスが予想(海外)

AI要約

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジャクソンホール・シンポジウムで注目を集めるパウエル議長の演説について、ゴールドマン・サックスは市場を驚かせる可能性を指摘している。

過去にもパウエル議長はジャクソンホールで市場の期待をリセットする機会として演説を行っており、今回も同様の展開が予想されている。

市場は年内に1.0%の利下げを見込んでいるが、パウエル議長の発言次第で市場に大きな影響を与える可能性がある。

パウエルFRB議長がジャクソンホール講演で市場を驚かせる可能性は?…ゴールドマン・サックスが予想(海外)

ゴールドマン・サックスは、8月23日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長のスピーチはサプライズをもたらす可能性があると考えている。

パウエル議長が投資家の期待をリセットする機会としてこのイベントを利用するのは初めてではない。

市場は現在から年末にかけて1.0%の利下げを視野に入れている。

2024年8月23日(現地時間)に開催されるアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジャクソンホール・シンポジウムでのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長の演説に注目が集まっている。ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、投資家は年内のFRBの進路に確信を持っているが、パウエル議長は依然として投資家を驚かせる可能性があると述べている。

これまでにも、パウエル議長はジャクソンホールでの演説を市場の期待をリセットする機会として利用したことがある。

インフレが40年ぶりの高水準に達した2022年、パウエル議長は8分間の短いが率直な演説を行い、株式市場が痛みを伴う弱気相場の真っ只中にあったにもかかわらず、インフレと戦うためにさらに金利を引き上げるというFRBの進路を示した。

このパウエル議長のタカ派的なジャクソンホール演説の翌週、債券利回りは急上昇し、S&P500は8%近く下落した。

しかし、インフレはほぼ抑制され、労働市場も悪化の兆しを見せているため、パウエル議長は23日にこれまでとはかなり違ったトーンで発言する可能性がある。

ゴールドマン・サックスによれば、FRB議長が市場を驚かせる可能性はいくつかあるという。

「ハト派的なサプライズとして考えられるのは、労働市場に対する懸念の強まりや、インフレの進展に照らしてフェデラルファンド(FF)金利の高水準が不適切だと示唆することなどが考えられる」とゴールドマンのエコノミスト、デビッド・メリクル(David Mericle)は20日のメモで述べている。

このような出来事は、FRBが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを開始するという考えを強め、0.25%を超える利下げや連続した利下げのハードルは大方の予想より低いため、株式市場にとっては強気となる可能性が高い。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のFedWatchツールは、投資家が今年残りの期間に1.0%の利下げを予想していることを示唆している。

一方、パウエル議長が投資家の予想以上にタカ派的な姿勢をとれば、市場に衝撃を与えて下落させる可能性がある。

「タカ派的なサプライズとしては、幅広い金融環境が依然としてかなり緩和的であることを強調するかもしれない。高水準のFF金利がおそらく不要ではあるものの、緊急の問題ではないことを示唆する可能性がある」とメリクルは述べた。

メリクルは、7月の雇用統計が低調だったことや、インフレ率がFRBの長期目標である2%に近づいていることを示す最近のデータを踏まえ、ジャクソンホールでの講演でパウエル議長はよりハト派的な発言をすると予想している。

雇用統計の伸びが81.8万人分下方修正されたことも、FRBがタカ派を維持する根拠にはならない。

「インフレ見通しにもう少し自信を示し、労働市場の下振れリスクにもう少し重点を置くことを意味するかもしれない」とメモには記されている。