インドのモディ首相、23日にウクライナ初訪問 親ロシアのイメージ一掃へ「演出」の見方も

AI要約

ウクライナ大統領府は、インドのモディ首相がウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談することを発表した。

モディ首相は、ロシアとの関係強化が注目される中、ウクライナ訪問によって批判を払拭しようとしている可能性がある。

一方、インドは対話の仲介役として積極的な姿勢を見せており、ウクライナとの関係強化に取り組んでいる。

インドのモディ首相、23日にウクライナ初訪問 親ロシアのイメージ一掃へ「演出」の見方も

【キーウ=黒瀬悦成】ウクライナ大統領府は19日、インドのモディ首相が23日にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談すると発表した。両国が1992年に外交関係を樹立して以降、インドの首相がウクライナを訪れるのは初めて。モディ氏は7月にロシアを訪問してプーチン大統領と会談しており、ウクライナ戦争の終結をにらんだ対話の仲介役を名乗り出る可能性もある。

モディ氏は、ロシアがウクライナの首都キーウの小児病院などをミサイルで攻撃した直後となる7月の訪露でプーチン氏と抱擁するなど親密な様子を見せ、ゼレンスキー氏や国際社会から批判を浴びた。

このため外交専門家などの間では、モディ氏がウクライナ問題でプーチン氏と一体化しているとの印象を打ち消す演出としてウクライナ訪問に踏み切った、との指摘も出ている。

これに対し、インド外務省高官は首都ニューデリーで記者団に、ウクライナとロシアのどちらか一方に肩入れする「ゼロサム・ゲーム」を展開しているわけではないと説明した上で、「インドとして平和の追求に向けた支援を惜しまない」と強調した。

インドによる対話の仲介は3月に同国のジャイシャンカル外相が意欲を示したほか、インドとウクライナの外交当局者が過去数カ月間に接触を重ねたとされるなど、実現の可能性が取り沙汰されてきた。

ただ、インドは欧米が経済制裁の対象にしているロシア産原油の輸入を続けるなどしてロシアの戦費調達を実質的に支えており、公正な仲介役としての役割を果たせるかどうかが疑問視されている。