ハリス氏にバトン渡したバイデン氏…「米国の魂を守るために戦う」(1)

AI要約

バイデン米大統領が民主党全国大会で感動的な演説を行い、支持者から熱い拍手と愛を受けた。

バイデン氏は過去の業績や政策成果を振り返りつつ、トランプ氏に対して非難を浴びせ、民主主義の危機を警告した。

ジル・バイデン夫人も登壇し、バイデン氏との50年近い関係を讃えつつ、次期大統領候補ハリス氏の勇気を称賛した。

「私たちはジョー・バイデンを愛している(We Love Joe)」。

バイデン米大統領が19日(現地時間)、イリノイ州シカゴで開幕した民主党全国大会に登場すると、行事場所を埋めた約5000人の党代議員は起立拍手で迎えながら「We love Joe!」を連呼した。民主党全国大会初日の雰囲気がピークとなるハイライト場面だった。

娘アシュリー・バイデン氏の紹介を受けて舞台に立ったバイデン大統領はアシュリー氏と抱擁しながらしばらく涙を拭った。続いて演壇の前に立ったバイデン大統領は聴衆の拍手に何度か「サンキュー」と繰り返し「アイラブユー」と語った。聴衆の拍手喝采の中、バイデン氏はマイクを握ってから3分ほど過ぎてこそ、ようやく演説を始めることができた。

バイデン氏は「私は3年前の1月のある日、国会議事堂の階段で右手を挙げ、憲法を守護して大統領職を誠実に遂行するという宣誓をした。そこは2週間前に暴徒が支配したところだった」とし「米国に政治的暴力のための場はない」と述べた。トランプ前大統領の追従者が起こした2021年の1・6議事堂乱入事態に言及しながら、トランプ氏による民主主義の危機を警告したと解釈された。

バイデン氏は「いま我々がする決定により数十年間の国家と世界の運命が決まるという歴史的な変曲点に直面している」とし「我々は米国の魂を守るために戦う」と話した。

バイデン氏は▼中産層の再建▼コロナパンデミックの克服▼雇用1600万件創出▼中小企業の成長▼人種間の貧富格差緩和▼高齢者処方薬の価格引き下げと医療保険の拡大▼半導体サプライチェーンおよび製造業の回復などの成果を列挙しながら、「トランプ氏は米国を『失敗した国家』と言うが、彼は敗北者だ。完全に間違っている」と声を高めた。続いて「我々は歴代で最も驚くような4年を送った。みんなのおかげであり、我々、すなわち私とハリス氏のため」と強調した。

この日のバイデン氏の演説は自身の52年の政治人生を事実上終える演説になるという点でスポットライトが集中した。1972年に29歳の年齢で米国史上最年少上院議員となったバイデン氏はその後6選し、オバマ政権で8年間、副大統領というナンバー2を務めた。そして2020年の大統領選挙でトランプ氏を抑えて大統領に当選したが、高齢リスクに対する懸念の声が強まると先月21日に再選挑戦を辞退し、民主党大統領候補から退いた。この日、全国大会場に登場したヒラリー・クリントン元国務長官など演説者はバイデン氏に敬意と謝意を表す言葉で演説を始めた。

バイデン氏に先立ちジル・バイデン夫人が演説し、「ジョーと私は50年近く一緒にしてきたが、依然として彼とまた恋に落ちる瞬間がある」とし「聖書に手をのせて大統領就任宣誓をする姿、そして数週間前に再選に挑戦せずカマラ・ハリス氏を支持することを決心する姿を見ながらそうだった」と述べた。続いて「ジョーと私はハリス氏の勇気と決断力、リーダーシップを近くで見てきた」とし「ハリス氏は新しい世代にインスピレーションを与えていて(選挙で)勝利するはず」と話した。