ハリス氏にバトン渡したバイデン氏…「米国の魂を守るために戦う」（２）

これに先立ちヒラリー氏が演説をした。２０１６年の大統領選挙でトランプ氏に惜敗したヒラリー氏が登場すると、約５０００人の代議員が起立拍手で迎えた。ヒラリー氏は「何よりもバイデン大統領に敬意を表する。生涯の公職奉仕とリーダーシップに感謝する」と述べた。聴衆は「サンキュー、ジョー」を連呼した。

ヒラリー氏は「ハリス氏は独裁者にラブレターを送ることはないはず」とし「彼女は国内外の敵から米国を保護し、私たちの民主主義と憲法を守護するだろう」と声を高めた。大統領在任当時に北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長と親書を交わし、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席ら権威主義国家の首脳との親密な関係を誇示したトランプ氏に向けた言葉だ。ヒラリー氏は「ハリス氏が私たちのために戦うために、私たちはハリス氏のために戦わなければいけない」とし「お互いに対する信頼と喜びでハリス氏とティム・ワルツ氏（副大統領候補）をホワイトハウスに送ろう」と強調した。

この日午後８時１０分ごろ、民主党全国大会場にハリス氏が登場した。代議員約５０００人の歓呼の中で行事場所に姿を現したハリス氏は演壇の中央に立ち、マイクを握って２分間ほど短い演説をした。ハリス氏は「今夜、私は偉大な祖国の美しさを見る。１１月に私たちは一つの声で、一つの国民として前進することを宣言する」とし「戦えば私たちが勝つ（Ｉｆ　ｗｅ　ｆｉｇｈｔ，　ｗｅ　ｗｉｎ）」と叫んだ。

ハリス氏は全国大会が開催される４日間、行事場所に留まる計画ではないという。ただ、全国大会初日のこの日はバイデン氏が行事場所に現れるだけに、敬意と謝意を表す意味で姿を見せたと解釈される。

バイデン氏はこの日、シカゴ国際空港から民主党全国大会場所のユナイテッドセンターに移動するのに新型のマリーンワン（米大統領専用ヘリコプター）に乗った。新しいマリーンワンＮＨ－９２Ａは商業的に販売されるシコルスキーＳ－９２を基盤にしたもので、従来のマリーンワンＮＨ－３ＤやＶＨ－３Ｄより大きく航続距離が長いという。

マリーンワンを運用する米海兵隊第１ヘリコプター編隊には今月初めまでにテスト用の２機を含む２３機のＶＨ－９２Ａが引き渡された。このプログラムには全５０億ドル（約７３５０億円）が投入された。