ハマス、米国の停戦案に難色 「戦争長引かせる目的」と批判

AI要約

ハマスは停戦交渉で米国の提案を拒否し、ネタニヤフ首相の要望を批判。

ブリンケン米国務長官は停戦合意に向け再協議を呼びかけるが、交渉の行方は不透明。

ハマスとイスラエル間の合意は難しい状況であり、仲介国は継続して交渉を行う。

ハマス、米国の停戦案に難色 「戦争長引かせる目的」と批判

 パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉を巡り、イスラム組織ハマスは18日、声明を発表し、仲介国の米国が提示した停戦案は、恒久的な停戦やガザからのイスラエル軍の完全撤退を拒否するネタニヤフ首相の要望に応じたものだと指摘し、難色を示した。

 一方、ロイター通信によると、イスラエルを訪問中のブリンケン米国務長官は「おそらく最善かつ最後の機会だ」と停戦合意に向けた再協議に応じるようイスラエル、ハマス双方に呼びかけた。今週にも再協議が予定されているが、交渉の行方は予断を許さない状況だ。

 16日にカタールの首都ドーハで終了した協議の後、ハマスが公式声明を発表したのは初めて。ハマスは、イスラエルが新提案を通じて、ガザとエジプトとの境界沿いなどでの軍の駐留継続を求めており、捕虜交換においても新たな条件を設けたと主張。その上で「(ネタニヤフ氏が)仲介国の努力を台無しにし、戦争を長引かせる目的で、新たな条件と要求を設定している」と批判した。

 イスラエルメディアによると、ネタニヤフ氏は18日の閣議で、合意の可能性は高くないと語った。ハマスとではなく、仲介国と効果的に交渉を行っていると述べたという。

 一方、仲介国の停戦合意を目指した動きは続いている。18日にイスラエル入りしたブリンケン氏は19日にネタニヤフ氏らと会談した。今後、エジプトに向かうという。【エルサレム松岡大地】