ウクライナ、進軍鈍化か 制圧地域の維持焦点

AI要約

ウクライナ軍の進軍が鈍化しているため、ロシア軍が撃退作戦の態勢強化を図り、守勢を強めている。

ウクライナは国境地帯に自国民を保護するため、制圧地域に「緩衝地帯」を創設し、長期維持を目指している。

クルスク州では橋が破壊され、住民の避難路が分断されるなどの混乱が発生している。

 【キーウ共同】米メディアは16日、ロシア西部クルスク州で越境攻撃を続けるウクライナ軍の進軍が、6日の開始当初に比べ鈍化していると報じた。ロシア軍の撃退作戦の態勢強化や制圧地域を保持するため守勢を強めたことが原因とみられる。ウクライナは国境地帯に住む自国民保護のため制圧地域に「緩衝地帯」創設を目指す。ロシアとの交渉材料にしたいとの思惑もあり、制圧地域を長期的に維持できるかどうかが焦点だ。

 ウクライナ軍のシルスキー総司令官は16日、軍がクルスク州で1~3キロ前進したと表明した。ゼレンスキー大統領は「軍は州内で基盤を固めている」と強調した。軍によると、進軍はここ数日間、1日当たり数キロにとどまる。

 ウクライナ政府高官は14日、クルスク州の一部地域に「緩衝地帯」を創設する考えを明らかにした。ウクライナ側はクルスク州スジャに軍司令官事務所を設置。制圧地の長期維持に備えているとみられる。

 クルスク州のスミルノフ知事代行は16日、州内の橋がウクライナ軍に破壊され、住民の避難路が分断されたと批判した。