ガザ停戦協議、失敗ならイスラエルを直接攻撃=イラン当局者

AI要約

イラン高官は、ガザ停戦協議での合意がイランの対イスラエル報復攻撃を阻止できる唯一の手段であると述べた。

イランはガザ和平プロセスに初めて参加し、中東地域における立場を強化するため積極的な姿勢を見せている。

イスラエルとの紛争激化リスクが高まる中、イランは停戦協議を通じて外交路線を維持する検討をしている。

ガザ停戦協議、失敗ならイスラエルを直接攻撃=イラン当局者

Parisa Hafezi Laila Bassam

[ドバイ/ベイルート 13日 ロイター] - イランの高官3人は13日、イランの対イスラエル報復攻撃を阻止できるものは、今週予定されるガザ停戦協議での合意のみだと述べた。イランはイスラム組織ハマスの最高指導者だったイスマイル・ハニヤ氏の暗殺を巡り、イスラエルに厳しい対応を取ると言明している。

情報筋の一人であるイランの高官は、ガザ停戦協議が失敗に終わった場合、あるいはイスラエルが交渉を長引かせているとイランが判断した場合、イランはレバノンの武装組織ヒズボラなどとともにイスラエルに直接攻撃を仕掛けるだろうと述べた。同高官は、イランがどれくらいの交渉期間を許容するかについては言及しなかった。

ハニヤ氏やヒズボラ司令官の殺害により中東地域で戦争拡大リスクが高まる中、イランはここ数日、報復措置を巡り西側諸国や米国と頻繁に対話を行っている。

トルコ駐在の米国大使は、米国が同盟国に対し、緊張緩和に向けイランを説得するよう要請していることを確認した。

また同地域の3人の政府筋によると、15日に予定されているエジプトとカタールの仲介による停戦協議を前に、事態のエスカレートを防ぐためイラン政府と協議したという。

イラン外務省と同国の精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」、イスラエル首相府、米国務省のコメントは得られていない。

イラン在住のアナリスト、サイード・ライラズ氏は、イラン指導部は「インセンティブを得、全面戦争を回避して中東地域における立場を強化するため」、ガザ停戦に関与することに積極的だと指摘。同氏によると、イランはこれまでガザ和平プロセスに関与したことはなかったが、今では「重要な役割」を果たす準備ができている。

2人の関係筋によると、イランは停戦協議への代表派遣を検討している。これはガザでの戦闘開始以来初めてのことで、イラン代表は会議に直接出席しないが、米国との「外交コミュニケーションのラインを維持する」ために水面下で協議を行うという。

これについて米国やカタール、エジプト当局のコメントは得られていない。

一方、ヒズボラに近い2人の高官は、イランは交渉関係者に機会を与えるだろうが、報復の意図を放棄することはないだろうと語った。