このままでは中東の石油に依存している「日本の死活問題」に…!イランに報復を余儀なくさせる「ネタニヤフ政権の暴挙」と「第5次中東戦争の可能性」

AI要約

米国、エジプト、カタールが共同声明を公表し、停戦協議を再開することを呼びかける。

停戦は国際コミュニティからも支持されており、イランも停戦の必要性を認識している。

イランとイスラエルの緊張が高まる中、イランは報復の構えを見せるが、専門家は間接的な行動にとどまる可能性も指摘している。

このままでは中東の石油に依存している「日本の死活問題」に…!イランに報復を余儀なくさせる「ネタニヤフ政権の暴挙」と「第5次中東戦争の可能性」

「浪費や言い訳に費やす時間はない。人質を解放して停戦に入る時が到来した」――。

イランのイスラエルに対する報復が現実味を増す中で、米国のバイデン大統領、エジプトのシシ大統領、カタールのタミム首長の3人が先週木曜日(8月8日)に連名で共同声明を公表、イスラエルとイスラム組織ハマスにこう呼びかけた。

声明はパレスチナ自治区ガザを巡る停戦協議を今週木曜日(8月15日)に再開するとし、両者に参加を迫るものだ。3ヵ国が国連決議などに沿って数ヵ月がかりで練り上げた調停案を提示する用意があるという。

停戦はEU(欧州連合)や英、仏両国が支持を表明しているほか、イランのペゼシュキアン大統領もフランスのマクロン大統領との会談で、中東地域での戦争の回避にはガザ地区の停戦が必要だと主張したと報じられている。

しかし、肝心のネタニヤフ・イスラエル首相は自己保身のために戦争状態の継続を目論んでいるとされ、真摯に交渉に臨む可能性は乏しそうだ。事態は予断を許さない。特に、中東の石油に依存する日本には死活問題になりかねない。

3ヵ国が改めて停戦に意欲を示す背景には、イランのペゼシュキアン大統領の就任宣誓式に出席するためテヘランに滞在中だった、ハマスの最高幹部ハニヤ氏が先月(7月)31日、空爆で殺害された問題がある。

外国からの賓客をイラン滞在中に暗殺され、イラン指導部はすっかり体面を傷付けられた格好で、最高指導者ハメネイ師がその日のうちに声明を出して「復讐することが我々の義務だ」と、イスラエルに報復する覚悟を鮮明にした。

その後、中東やアフリカ、アジアなどのイスラム圏の57の国・地域が加盟する組織OIC(イスラム協力機構)の緊急会合が8月9日にサウジアラビアで開催され、イランは、イスラエルへの報復に対する理解を参加国に求めて、個別に理解も得たという。

報復措置のレベルについて、イランはこれまで、主にハマスやレバノンのシーア派組織ヒズボラ、イエメンの反政府派組織フーシ派がイスラエルを攻撃するのを資金や武器の提供という形で間接的に支援するのが常だった。このため、専門家の中には、今回も従来型の間接的行動にとどまると見る向きが根強く残っている。

しかし、今回はイランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」司令官が新たにハマスの最高幹部に就任したシンワル氏に送った書簡でも「厳しく処罰する」としており、イランとイスラエルという中東地域の大国同士の戦争に発展しかねないと強い危機感を持つ向きもいる。

実際のところ、ほんの数週間前なら考えられないほど、イランは硬化しているようだ。