ハリス氏の副大統領候補に“軍歴詐称”疑惑 “イラク派兵命令直前の退役”も問題に…「軍歴詐称のゴミ」バンス氏が痛烈批判

AI要約

民主党の副大統領候補に指名されたティム・ワルツ氏が、州兵時代の軍歴を詐称した疑いで追い込まれている。ワルツ氏の講演で軍歴に関する発言が物議を醸し、ミシガン州で共和党候補に批判される事態となった。

ワルツ氏の軍歴は2003年から2005年の間にイタリアで支援役として活動したものであり、実際に戦闘部隊に参加したことはない。共和党候補は軍歴詐称者としてワルツ氏を批判し、議論を巻き起こしている。

ハリス選対はワルツ氏の発言について誤りを認めつつも、軍歴をめぐる他の訂正も行っており、問題が拡大する可能性がある。

ハリス氏の副大統領候補に“軍歴詐称”疑惑 “イラク派兵命令直前の退役”も問題に…「軍歴詐称のゴミ」バンス氏が痛烈批判

米国の大統領選挙、民主党の副大統領候補に指名されたティム・ワルツ氏が、州兵時代の軍歴を詐称した疑いで追い込まれている。

民主党のカマラ・ハリス陣営は7日、一本のビデオをX(旧ツィッター)で公開した。屋内の集会場でワルツ氏が講演をしているビデオで、それにはこういう添え書きがある。

「ティム・ワルツ知事:私は陸軍に25年いたし、狩猟もする。私は憲法修正第2条を守る良識ある法案に投票してきたが、身元調査はできる。銃による暴力の影響を調査することもできる。私が戦争で携行した戦争用の武器は、戦争でしか携行できないようにすることができる」

NBCニュースによれば、これは2018年に行われたワルツ氏の講演会のビデオだというので、ミネソタ州知事選挙に当選した前後と考えられる。かつてワルツ氏がNRA(全米ライフル協会)の会員で銃規制に消極的ではないかと言われたことに反論をしているようで、今回もそうした疑念をかわすために公開されたと推測される。

ところがこのビデオは、思わぬ反ばくを招くことになった。それは「私が戦争(war)で携行した戦争用の武器は」というくだりだ。

ワルツ氏は17歳の時に陸軍州兵に入隊。2005年に退役するまで重砲部隊に所属した。この間2003年に同時多発テロ事件の報復として米国主導で行われた「不朽の自由作戦」で イタリアのビチェンツァに9カ月派遣されたが、イラクやアフガニスタンで戦う戦闘部隊を支援する役割で、戦場に足を踏み入れることはなかった。(AP電・9日)

これに共和党側で同じ副大統領候補に指名されたJ.D.バンス氏が7日、ミシガン州で開かれた集会で噛みついた。

「彼は、彼が戦争で使った武器を米国の街角で使われることを許すべきではないと言った。でもティム・ワルツ、君はいつ戦争に行ったというのだ?ティム・ワルツは、軍歴詐称者(stolen valor)のゴミだ。自分をありもしない者と偽るな」

カマラ・ハリス選対も無視することができず、10日声明を発表し「ワルツ知事は国家のために兵役に就いた人々を侮辱する意図はなかった」と誤りを認めたが、ハリス選対はこの他にもワルツ氏の軍歴をめぐる訂正をしていた。