ハリス陣営、ウォルズ氏の軍歴巡る過去の発言「不正確」と認める

AI要約

11月の米大統領選で初当選を目指す民主党のカマラ・ハリス副大統領の陣営は、副大統領候補のウォルズ知事が自らの軍歴に関して過去に不正確な発言をしたことを認めた。

ウォルズ知事は実際には戦闘部隊に所属した経験がないが、銃規制強化を訴える際に戦争で使用する銃について語っていた。

ウォルズ知事が州兵を務めた経験やイラク派遣を避けた経緯が報じられ、共和党による批判が起きている。

ハリス陣営、ウォルズ氏の軍歴巡る過去の発言「不正確」と認める

 11月の米大統領選で初当選を目指す民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)の陣営は9日、副大統領候補に起用した中西部ミネソタ州のティム・ウォルズ知事(60)が自らの軍歴に関して過去に「不正確な発言をした」と認めた。米メディアが報じた。

 ウォルズ氏は戦闘部隊に従事した経験はないが、銃規制強化の必要性を訴える際に「私が戦争で携帯したような銃は、戦場でのみ存在すべきだ」と述べていた。

 問題になったのは、ウォルズ氏の2018年の発言だ。銃購入希望者の身元調査や殺傷力が高い銃の販売禁止を訴える趣旨だった。

 ハリス陣営が6日にこの発言が含まれる動画を公開した後、共和党副大統領候補のJ・D・バンス連邦上院議員(40)らが「ウォルズ氏は軍歴を偽っている」と問題視していた。バンス氏は海兵隊員としてイラク派遣の経験がある。

 ハリス陣営の広報担当者は9日の声明で「ウォルズ氏は不正確な発言をした。国民の国家への奉仕を侮辱する意図はなかった。バンス氏が前線に赴いたことにも感謝している」と釈明した。

 AP通信によると、ウォルズ氏は05年までの24年間、陸軍州兵を務めた。アフガニスタン戦争の後方支援を担うために欧州へ派遣されたことはあるが、戦闘地域での経験はない。

 ウォルズ氏が連邦下院選出馬へ向けて州兵を退役した約3カ月後、所属部隊のイラク派遣が決定した経緯がある。退役がイラク派遣を避けるためだったかは不明だが、共和党は「戦地派遣から逃げた」と批判している。【ワシントン秋山信一】

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 <おことわり> 米大統領選で、民主党副大統領候補の名字の表記を「ワルツ」から「ウォルズ」に変更します。現地の発音により近い表記に合わせます。