中国の22歳「国賊の習近平を罷免する」 Xに顔出しで政権批判投稿、広がる波紋

AI要約

中国湖南省の歩道橋に習近平国家主席を批判する横断幕を掲げた男性が動画を投稿し、民主化を支持する内容を発信した結果、当局から迫害を受けたと説明。

男性は白紙運動に参加した経験もあり、「習近平がどんなに迫害しても、中国人の心に民主的な思想が根付くのを阻止できない」と述べている。

過去にも習氏を批判する横断幕が掲げられ、白紙運動が拡大。一部が政権批判に発展し、当局は参加者を拘束している。

中国の22歳「国賊の習近平を罷免する」 Xに顔出しで政権批判投稿、広がる波紋

 【北京・伊藤完司】中国湖南省の歩道橋に、習近平国家主席を批判する横断幕を掲げたとされる男性の動画がX(旧ツイッター)に投稿され、波紋を広げている。男性は動画の中で、通信アプリを使って民主化を支持する内容を発信したところ、当局から迫害を受けたと説明し、横断幕を掲げたきっかけだったことを示唆。米政府系のラジオ自由アジア(RFA)や台湾メディアが「ネット上に(横断幕を掲げた)当事者が現れた」などと伝えている。

 Xには7月30日、湖南省新化県の歩道橋に「独裁、国賊の習近平を罷免する」「指導者は不要。選挙が必要」と書かれた横断幕が掲げられている様子を写した動画がまず、投稿された。横断幕を掲げた人は写っていなかった。

 今月2日、同じアカウントに「(横断幕を掲げたのは)地元の22歳の青年」との説明とともに、顔を出した男性の動画が投稿された。男性は政府の厳格な「ゼロコロナ」政策に反対する「白紙運動」に参加したことがあると明かした。「習近平がどんなに迫害しても、中国人の心に民主的な思想が根付くのを阻止できない」などとも語っている。

 RFAによると、男性は当局に拘束されたとの情報があり、2日の動画は事前に撮影された可能性がある。

 2022年10月にも、北京市内で今回と似た表現で習氏を批判する横断幕が掲げられた。一方で白紙運動は同年11月に中国各地で拡大し、一部が政権批判に発展。当局が参加者を相次いで拘束している。