グレンコア、EV電池素材コバルトの在庫積み増し停止=CEO

AI要約

スイス資源大手グレンコアの最高経営責任者が、電気自動車用電池の素材となるコバルトの在庫積み増しを停止したことを明らかにした。

コバルトの供給過剰が続き価格が低迷している中、現段階での在庫規模や将来の見通しについて議論されている。

グレンコアのCEOは市場の均衡回復には18─24カ月を要する見通しを示し、新たな大規模鉱山の登場が市場を変化させる可能性を指摘している。

グレンコア、EV電池素材コバルトの在庫積み増し停止=CEO

[ロンドン 7日 ロイター] - スイス資源大手グレンコアのゲイリー・ネイゲル最高経営責任者(CEO)は7日、電気自動車(EV)用電池の素材となるコバルトの在庫積み増しを停止したと明らかにした。

2023年8月にグレンコアは、同年上半期にコバルトの手元在庫を蓄積したと発表し、市場への供給を減らして価格を下支えする方針を示していた。

同社は当時、蓄積した在庫の規模には言及しなかった。ネイゲル氏は7日、現段階での在庫規模に触れていない。

ただ同氏は「われわれはもはや在庫を積んでいない。実際のところ、在庫の一部を売却した」と述べた。

コバルトは世界最大の生産国コンゴ民主共和国(旧ザイール)で過去1年に増産が進み、大幅な供給過剰に傾いたため、価格が2016年以降の最低水準に沈んでいる。

同氏は「われわれの推測では供給過剰の解消には18─24カ月の期間を要する」と予想した。

マッコーリーの見積もりでは、コバルトは今年約2万8000トン、来年も2万4000トンの供給超過になるという。

それでも同氏は「これは市場の構造的変化ではなく、短期的な不均衡とみなすべきだ。新たな大規模新規鉱山の登場はなく、市場が均衡を取り戻すチャンスになる」と指摘した。