《ブラジル》大規模メロン生産の大谷さん自伝 戦後移民の稀な経験記した『志』

AI要約

大規模メロン生産をする戦後移民の大谷正敏さんが、孫たちに経験を伝えるために書き始めた本『志』を出版。中島エドアルド剛さんにより日ポ両語でまとめられた。

大谷さんは、戦後移民としてブラジルへ移住し、メロンの栽培、品種改良に取り組む。北東部での苦労や成功、周りの支援についても述べられている。

著書は初めは孫向けに書かれたが、一般向けにも読み応えのある内容となっており、冊数限定で販売されている。

《ブラジル》大規模メロン生産の大谷さん自伝 戦後移民の稀な経験記した『志』

 大規模メロン生産をする戦後移民の大谷正敏さん(76歳、愛知県出身、北大河州モソロー市在住)が、孫たちに経験を伝えるために書き始めた本『志』を出版した。この書籍は、日本語からポルトガル語への翻訳を手掛けた中島エドアルド剛さんによって、日ポ両語でまとめられた。中島さんが6月21日に編集部を訪れ、同書の紹介を行った。

 中島さんは「誰が読んでも分かりやすくするために、日本の歴史にまつわる話などの補足にも力を入れた」とし、事業で成功を収めても謙虚さを失わなかった魅力的な人物像を称賛する。

 大谷さんは、戦後移民として11歳で家族と共にブラジルへ。青年時代をサンパウロ市で過ごし、30歳の時に自分の能力を試すために日系社会が根付いていない北東部に移住し、農業を営み、スイカとメロンの栽培、品種改良に尽力して2019年に山本喜誉司賞を受賞した。

 大谷さんは3千ヘクタールの土地を所有し、800ヘクタールに灌漑設備を施した。毎年300ヘクタールずつメロン栽培をして、順繰りに土地を休ませながら緑肥を入れて輪作するという工夫を施している。

 大谷さんは著書の中で「北東部で頼れる人がいなくて、初期移民のような体験を味わった」と記した。北東部での様々なトラブルや気づきを通じて、「周りのブラジル人に助けられ、一人では成し得なかったことができた」とも語る。

 大谷さんは日本文化を自身の基盤として大事にしながらも、ブラジル人を非常に高く評価している。中島さんは「大谷さんの言葉はストレートで、複雑さや余分なことがない一冊になっています」と語る。当初は孫に伝えることを意識した内容だったが、最終的には一般の人向けにも十分に読み応えのあるものになっており、冊数限定で一般購入が可能。1冊80レアルで送料別途。購入希望者は中島さん(ワッツアップ11・98485・3311、メールedugoo@gmail.com)まで連絡を。