薬物の巣窟となった大学サークル…韓国名門大学生など13人、投与・運搬・販売にも加担

AI要約

ソウル大学・高麗(コリョ)大学を中心に連合サークルで薬物を流通・投与した大学生が裁判にかけられた。主犯はKAIST大学院に通う学生で、サークルを運営し、会員に液状の大麻や他の薬物を勧めた。さらに性暴行も行い、脅迫も行われた。被疑者数は多数に上り、拘束・起訴された者もおり、拘束状態から条件付き起訴猶予処分まで幅広い処遇がなされた。

主犯はサークルを通じて多くの大学生を惑わし、高級ホテルでのパーティーに招待し、薬物を提供した。さらに、仮想通貨を利用して薬物を取引し、差益を得ていた。検察は関連者の携帯電話などを調査し、事件の全貌を明らかにした。

被疑者の中には法学適性試験や医科大学への再入学を準備している学生もいた。検察はさらなる捜査を行うと共に、犯罪集団組織罪の適用も検討している。

薬物の巣窟となった大学サークル…韓国名門大学生など13人、投与・運搬・販売にも加担

ソウル大学・高麗(コリョ)大学など首都圏の主要大学を中心に連合サークルを組織し、薬物を流通・投与した大勢の大学生が裁判にかけられた。主犯は延世(ヨンセ)大学を卒業してKAIST大学院に通う学生だった。

ソウル南部地検刑事第4部(ナム・スヨン部長)は主犯であるサークル会長を務める30代A氏を麻薬類管理法違反(向精神薬・大麻)、特殊傷害、性暴行処罰特例法違反(撮影物など利用脅迫)、虚偽告訴罪などの疑いで拘束起訴したと5日、明らかにした。サークル役員など20代3人は拘束状態で裁判にかけられ、2人は在宅起訴された。投与にのみ加担していた大学生8人は、前歴や中毒の有無、再犯の危険性などを考慮し、条件付き起訴猶予処分となった。学生らはソウル・京畿(キョンギ)・仁川(インチョン)所在の大学13校に在学中だった。

A氏は2021年に親睦サークルを作った後、大学生がよく使うエブリタイム・キャンパスピックなど社会関係網サービス(SNS)に外車や高級ホテル・食堂・ミュージックフェスティバルなどを無料や低価格で利用できると広報した。主要大学の在学生たちを直接面接して選抜し、高級ホテルなどでパーティーと飲み会を開いて学生たちを惑わし、会員数約300人の大規模なサークルとして育てた。

A氏とサークル役員などは、参加率の高い会員を選別した後、別途の行事に招待してお酒を飲みながら液状の大麻を勧めた。また、会員たちはサイロシビン(マジックマッシュルーム)・ヒロポンなどますます中毒性の強い薬物に段階的に接した。このほか、MDMA(エクスタシー)、LSD、ケタミンなどもクラブ、遊園地、ホテルなどで場所を問わず投与した。また、男性会員と風俗店の女性従業員を高級ホテルのスイートルームに招待して集団で薬物を投与したり、LSDを機内手荷物に入れて済州(チェジュ)・タイなどに運搬して投与したりしたことが分かった。A氏らは「LSDがうつ病や中毒などに効果がある」という検証されていない情報で投与を勧めたという。

A氏が初めて薬物に手を出した時点は2022年11月だと検察は明らかにした。次第に収益化を図ったA氏はテレグラム業者から「投げ手法(住宅街などに薬物を隠しておいた後、持って帰るようにする方式)」方式で薬物を1個当たり平均10万ウォン(約1万円)で購入し、これを会員に15万~20万ウォンで売って差益を残したという。A氏らが昨年1年間仮想通貨で取り引きした薬物売買代金は少なくとも1200万ウォンに達する。検察関係者は「追跡が難しい仮想口座方式の振込、現金取引、マネーロンダリング取引金額などは除いたもので、仮想通貨取引額は氷山の一角とみられる」と話した。

当初、A氏は昨年12月のクリスマスごろ、あるホテルで単なる薬物投与の疑いで警察に捕まった。A氏とLSDを投与した恋人が「バッドトリップ(Bad trip)」を体験してホテルで暴れ、現行犯として逮捕された。バッドトリップとは、薬物投与量を増やすことで引き起こされる不安・恐怖など不快感を感じる現象だ。

その後、検察はA氏などの携帯電話をフォレンジックし、口座・仮想資産の取引内容などを追跡した結果、今回の事件の全貌を明らかにした。検察はA氏が恋人を殴って性関係を撮影した映像を利用して脅迫した事実など追加の犯行も明らかにした。検察はA氏の電子財布を凍結し、高級オフィステルなど責任財産を国庫還収する予定だ。

検挙された大学生の中には、法学適性試験(LEET)や医科大学・薬科大学への再入学を準備する学生もいたという。南部地検はサークル会員を追加捜査する一方、先に捕まった人たちに犯罪集団組織罪を適用する可能性も残している。