NPT準備委、2回目は議長総括まとまる ロシアの提案で注釈も

AI要約

2026年の核不拡散条約再検討会議に向けた第2回準備委員会が終了し、核軍縮に関する各国の懸念や提案が議長総括でまとめられた。

昨年の第1回準備委員会では議長総括が残せなかったが、今回は各国が歩み寄りを示したものの、核軍縮に関する意見の隔たりが依然として存在することが浮き彫りになった。

次回会議に向けての準備委員会は続くが、議長総括は各国の見解を完全に反映しておらず、今後の方針に直接的な影響を与えるものではないとの声明がつけられた。

NPT準備委、2回目は議長総括まとまる ロシアの提案で注釈も

 2026年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け、スイス・ジュネーブで開かれていた第2回準備委員会は2日、昨年の第1回準備委員会ではまとまらなかった議長総括を発表し、2週間の日程を終えた。

 議長総括では各国が核保有国に核戦力の透明性を求めたほか、核軍縮が進んでいない状況への各国の懸念や、北朝鮮の弾道ミサイル開発への懸念などが盛りこまれた。ただ、「総括は議長の見解であり、各国の見解のすべてを反映しておらず、今後の取り組みの根拠となってはならない」という注釈がロシアの提案でつけられた。

 再検討会議は原則5年に1度開かれており、26年の次回会議に向けて準備委員会が3回にわたって開催される。昨年8月の第1回準備委員会では、ロシアやイランの反発により議長総括を公式文書として残すことができなかった。

 今回は議長総括を残した点では各国が歩み寄りを見せたが、総括によると、中国は敵の核攻撃を受けない限り核兵器を使わないとする「核の先制不使用」を呼びかける一方、他の国が「先制不使用」の検証可能性が欠けていると指摘するなど、核軍縮をめぐる各国の隔たりの大きさが改めて浮かび上がった。(森岡みづほ)