<パリ五輪>「なぜ私たちばかり疑うのか」 中国選手が怒り爆発…パリでも米中葛藤

AI要約

中国女子水泳選手がパリ五輪での成績に疑念をかけられている中、ドーピング疑惑に対して不快感を表明。

米国と中国の五輪における葛藤が深まり、ドーピング問題が再燃している。

中国選手団に対する疑いが浮上し、米国との対立がスポーツ界でも表面化している。

「なぜ中国の選手が好成績を出せば疑われなければいけないのか」。

2日(現地時間)、2024パリオリンピック(五輪)女子バタフライ200mで銅メダルを獲得した中国女子水泳選手の張雨霏が記者会見で語った言葉だ。張雨霏は「フェルプスは金メダルを7、8個獲得しても疑われなかった」とし、中国水泳選手団にドーピング疑惑を提起する声に不快感を隠さなかった。

「世界の祭典」五輪が開幕から1週間ほど経過した中、政治・経済分野を越えてスポーツでも米国と中国の葛藤が深まる様相だ。3年前の東京五輪当時に提起された中国水泳選手のドーピングもみ消し疑惑の波紋がパリでもまだ続いている。先月30日、米上院議会は世界反ドーピング機構(WADA)に対する資金支援を保留する法案を発表した。共和・民主両党が協力して合意した「2024年世界反ドーピング機構信頼回復法」だ。

この法案には、米国家薬物統制政策事務局がWADAの独立性を評価した後、独立性が不足すると判断すれば寄付を保留できる永久的権限を付与する内容が盛り込まれた。米国は昨年、WADAに340万ドル(約5億円)を寄付した。

これはおそらく中国を狙った動きと解釈される。中国をかばうという批判が続くWADAに対して米国の影響力を高めようという意図だ。これに先立ち米国反ドーピング機構(USADA)はWADAと中国反ドーピング機構(CHINADA)に向けて「陽性反応が出てきた事例を隠し、勇気ある内部告発者の声を抑圧した」と明らかにした。

今回の論争は4月のオーストラリアメディアの記事が発端だ。ヘラルドサンは「東京五輪に出場した中国の水泳選手23人がドーピングテストで陽性反応を見せたが、大会に出場した」と伝えた。

米日刊紙ニューヨークタイムズ(NYT)も「中国高位層は選手らの陽性反応にもかかわらずドーピング容疑がないという結論を出して五輪に出場させた」と報じた。中国選手らは狭心症治療薬トリメタジジンに陽性反応を示したと伝えられた。血流量を増やして体内の酸素供給を円滑にする薬物で、WADAが指定した禁止薬物に含まれる。

中国側は「選手たちが自分たちも知らない間に極少量の禁止物質を摂取した」と釈明した。WADAも中国選手らが実際にトリメタジジン陽性反応を見せたにもかかわらず、こうした主張を受け入れた。

WADA側はむしろUSADAを名誉毀損の疑いで提訴を考慮している。オリビエ・ニグリWADA事務総長は「肉類を通したサンプル汚染問題は複数の国でイシューなっているが、中国だけに疑問を提起している」とし「これは反ドーピングを政治化しようとする意図」と主張した。

中国選手は過度なドーピングテストに対する不満を表している。中国の元ダイビング選手の高敏氏はSNSで「一日7回もの薬物検査で中国水泳チームの競技力を落としている」と主張した。

世界水泳連盟は中国水泳選手を対象にパリ現地だけで少なくとも10回以上のドーピングテストを実施したことが分かった。これは米国選手と比べて4倍も多い。中国水泳代表チームの関係者も「選手たちはフランスに到着してから10日間、昼夜を問わず一日平均5-7回の検査を受けた」と問題を提起した。

中国選手団に対する疑いの視線は選手の成果にも及んでいる。潘展楽は1日(現地時間)、男子自由形100mで46秒40をマークし、世界記録を更新した。アジア選手では92年ぶりのチャンピオンだ。2位とはなんと1秒08の差だった。

これに対しオーストラリア出身の水泳コーチ、プレット・ホーク氏はSNSに映像を載せ、「この記録を破るのは人間的に不可能だ」と主張した。直接言及はしていないが、潘展楽のドーピングが疑われるというニュアンスだった。ただ、潘展楽と優勝争いをした銀メダリストのカイル・チャルマース(オーストラリア)はインタビューで「潘展楽は金メダルを受ける資格がある」と話した。