五輪=「人間では不可能」批判に中国反発、競泳19歳の世界新圧勝で

AI要約

パリ五輪競泳男子100メートル自由形で中国代表の潘展楽が世界新記録を樹立。

記録更新に対するオーストラリアの解説者の批判や中国からの擁護が相次いでいる。

潘はドーピング検査に協力し、中国代表チーム全体が厳しい注目を浴びている。

五輪=「人間では不可能」批判に中国反発、競泳19歳の世界新圧勝で

Farah Master Bernard Orr

[香港 2日 ロイター] - パリ五輪の競泳男子100メートル自由形では中国代表の潘展楽(19)が世界新記録をマークしたが、オーストラリアの解説者が「人間では不可能」と批判し、中国の国営メディアやアスリート、インターネットユーザーから潘を擁護する声が高まっている。

潘は7月31日の同種目で、2月のドーハ世界選手権で打ち立てた自身の世界記録を0.40秒も更新する46.40秒で圧勝。豪州のカイル・チャルマーズやルーマニアのダビド・ポポビチを抑え、パリ五輪の競泳で中国初の金メダルに輝いた。

これを受けて豪州のコーチ兼解説者であるブレット・ホーク氏は「あの選手に勝つのは人間では不可能だ」とインスタグラムに投稿。新記録が「現実的ではない」とも表現し、中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」で拡散された。

中国の国営英字紙チャイナ・デイリーは2日、潘が「大会前と最中に厳格なドーピング検査を完了し、陽性反応はゼロだった」と報道。

潘は5月から7月にかけて計21回のドーピング検査を受けたと述べ、「全ての検査に協力した。公正かつクリ―ンな状態で競技に臨む自信があった」と同紙に語った。

競泳の中国代表を巡っては、東京五輪前に選手23人がドーピング検査で陽性反応が出たものの出場が許可されたことが発覚。この問題を受けて、厳しい批判の目にさらされている。

女子200メートルバタフライで銅メダルを獲得した中国の張雨霏は1日の記者会見でこの件に触れ、「なぜ中国選手の泳ぎが速い場合は疑問視されるのか。フェルプスが優勝したときには、なぜ誰も疑問視しなかったのか」と首をかしげた。