「人骨を盗む人があとを絶たない」…ある美術館を一時閉館にまで追い込んだ珍事件とは?花の都・パリで名を馳せる個性豊かな美術館たち

AI要約

2024年の夏、オリンピックの開催で注目されるフランス・パリ。パリの歴史を独自の視点から物語る。

パリにあるmusée(美術館)の中から国立近代美術館、クリュニー中世美術館、アラブ世界研究所を紹介。

それぞれの美術館の特徴や展示内容を紹介し、観光や文化体験におすすめ。

「人骨を盗む人があとを絶たない」…ある美術館を一時閉館にまで追い込んだ珍事件とは?花の都・パリで名を馳せる個性豊かな美術館たち

2024年の夏、オリンピックの開催で注目されるフランス・パリ。「芸術の都」「花の都」「美食の街」などの異名をもつこの街は、長年世界中の人々の憧れの的となっている。そんなパリに傾倒して何度も訪れ、人生の大半を捧げてきた著者が、パリの歴史を独自の視点から物語る。

『物語 パリの歴史』(高遠 弘美著)より抜粋して、パリオリンピック開催中の今こそ知っておきたいたくさんの魅力を紹介する。

それでは前回に引き続き、パリにあるたくさんのmuséeの中からいくつかご紹介しましょう。あまりに有名なものは名前を出す程度に抑えます。Muséeという名前でないものだけ原語をつけます。

《国立近代美術館》

4区のポンピドゥーセンター内にある美術館です。1977年、パレ・ド・トーキョーから移されました。ニューヨーク近代美術館(MOMA)に次ぐ世界第2位の近現代美術の収蔵を誇ります。1992年にはインダストリアル・デザインの研究機関である産業創造センター所蔵資料もセンター内に移されました。しばしば特別展が開かれています。

《クリュニー中世美術館》

1844年開館。5区にあります。ローマ時代の浴場跡があります。ここは、「貴婦人と一角獣」のタペストリーで有名ですが、ノートルダム大聖堂のポーチを飾っていた「王のギャラリー」の頭部も見られます。フランスの中世以来の彫刻やステンドグラスに興味のある方は必見です。一角獣の角、と称するものも展示されています。

《アラブ世界研究所 Institut du monde arabe》

5区。ジャルダン・デ・プラントの近く。1987年開館。アラブ世界の文化の研究と普及を目的としていますが、ときどき催される特別展は見応えがあります。近年では、2012年11月から5ヶ月間開かれた「千夜一夜物語の世界」が圧巻でした。関係図書や図録も販売しています。外観もアラビア的発想を生かしていて見事です。