世界最古のアニメが上映!…数多の美術館を抱えるパリで「本物のパリジェンヌが選ぶ」至極の数館

AI要約

2024年の夏、オリンピックの開催で注目されるフランス・パリ。パリの歴史を独自の視点から物語り、美術館や博物館の魅力を紹介。

パリの美術館や博物館の歴史や特徴を紹介。有名なルーヴル美術館やオルセー美術館の情報も含まれる。

Musée Grévinから始まるフランスのmuséeの歴史や情報、パリの文化と美術シーンに触れる。

世界最古のアニメが上映!…数多の美術館を抱えるパリで「本物のパリジェンヌが選ぶ」至極の数館

2024年の夏、オリンピックの開催で注目されるフランス・パリ。「芸術の都」「花の都」「美食の街」などの異名をもつこの街は、長年世界中の人々の憧れの的となっている。そんなパリに傾倒して何度も訪れ、人生の大半を捧げてきた著者が、パリの歴史を独自の視点から物語る。

『物語 パリの歴史』(高遠 弘美著)より抜粋して、パリオリンピック中の今こそ知っておきたいたくさんの魅力を紹介する。

とくに美術好きを自任する方でなくてもパリにいると美術館と無縁ではいられません。いくつか書いてみます。フランス語のmuséeは美術館と博物館、そしてそれだけではなく、1882年に開館したグレヴァン蝋人形館(Musée Grévin、ミュゼ・グレヴァン)のような施設も指す言葉です。リュミエール兄弟が初めて映画を上演したのは1895年でしたが、300枚のイラストを約10分で次々に見せる世界初のアニメーション『道化師と犬たち』が公開されたのはそれよりも前の1892年、ミュゼ・グレヴァンにおいてでした。好評で、1年半にわたって続きました。ミュゼ・グレヴァンは現在も開館しています。

それではパリにあるたくさんのmuséeの中からいくつかご紹介しましょう。あまりに有名なものは名前を出す程度に抑えます。Muséeという名前でないものだけ原語をつけます。

《ルーヴル美術館》

フランス革命時、科学と藝術の記念建造物とされ、1793年8月10日に共和国博物館として開館しました。いわゆる美術品だけではなく、リシュリュー翼2階にはナポレオン3世のアパルトマンなども再現されていて往時を偲ばせます。日本でも人気の高いフェルメールが2枚ありますが、「レースを編む女」だけしか見ない方が意外に多いので残念です。隣の「天文学者」もフェルメールの傑作ですのでお忘れなく。

《オルセー美術館》

1900年のパリ万博に合わせて開業した鉄道の駅兼ホテルでしたが、ホームが短すぎる等の批判を浴び、1939年に地上部分は廃用。地下のみ使われていましたが、1980年以降はRERのC線の駅になりました。地上の駅舎を美術館にするのはポンピドゥー大統領の発案ですが、オルセー美術館として開館したのは、1986年でした。19世紀絵画、とくに印象派の専門美術館として人気があります。大時計をはじめ、旧駅舎の装飾を生かした内装は美しいと思います。