仏さまの「着付け」体験 県立美術館でまるごと奈良博 前期展、28日限り

AI要約

奈良国立博物館展「まるごと奈良博」が開かれている金沢市の石川県立美術館で27日、親子らが仏さまの「着付け」を体験し、展示会場は大勢の愛好者で賑わった。

ワークショップでは仏像のファッションを学び、参加者は仏像の衣の表現や違いに理解を深めた。

展示会場には家族連れが訪れ、国宝や重要文化財を鑑賞し、奈良博展の魅力を堪能した。

仏さまの「着付け」体験 県立美術館でまるごと奈良博 前期展、28日限り

 奈良国立博物館展「まるごと奈良博」が開かれている金沢市の石川県立美術館で27日、ワークショップ「仏像ハカセのほとけさまファッション講座」が開かれ、親子らが仏さまの「着付け」を体験し、装いから仏像の造形美を味わった。展示会場は、28日までの前期展を見逃すまいと訪れた、大勢の愛好者や団体客でにぎわった。

 「仏像は何を着ているかな?」の問いかけからワークショップが始まり、「仏像ハカセ・イワイ」こと、岩井共二奈良国立博物館美術室長が如来(にょらい)のファッションを解説した。

 アフロヘアーに白衣姿の岩井さんは、如来が「裙(くん)」と呼ばれる巻きスカートに、肩を覆う衣と袈裟(けさ)の2枚の布を身に着けていることを説明。参加者は、レプリカの仏さまを着付けし、仏像の衣の表現や違いに理解を深めた。

  ●コスプレも楽しむ

 自らも衣を試着して「仏像コスプレ」も体験した新谷心咲さん(金沢市押野小3年)は「普段の服と違って、着るのが難しい。布だけで服になるのが面白かった」と笑顔を見せた。

 前期展最後の週末とあって、展示会場には続々と家族連れなどが訪れた。ほっこく観光(金沢市)の七尾・羽咋からのツアー客40人は、見納めとなる国宝「十一面観音像(じゅういちめんかんのんぞう)」などをじっくり鑑賞し、仏教美術との出合いを心に刻んだ。

 奈良博展は「ポスト国民文化祭」の目玉事業として県、県立美術館、北國新聞社でつくる実行委員会が主催し、国宝8点、重要文化財93点の計205点が展示される。31日~8月25日に開かれる後期展では、仏画や経典を中心に約70点が展示替えとなる。

 前期最終日となる28日の開館時間は午前8時半~午後6時。入場料は一般1500円、大学生千円、高校生800円、小中学生500円。内灘町以北の小中学生は無料となる。