ワグネルの戦闘員数十人をマリで射殺…ウクライナ「われわれが関与」

AI要約

ウクライナ国防省情報総局(GUR)がロシアの民間軍事会社ワグネルグループの戦闘員が反政府勢力による待ち伏せ攻撃で死亡した事件に関与したことを明らかにした。

ワグネルグループはマリで最大の損失を被り、ウクライナ特殊部隊もマリでの戦闘に参加した。ロシアのアフリカでの金抽出にも関与していると報告された。

ウクライナによるワグネルの制裁やマリでの戦闘は、ウクライナとロシアの世界的な戦争の拡大を示すサインとなっている。

ロシアの民間軍事会社ワグネルグループの戦闘員数十人が西アフリカのマリで反政府勢力の待ち伏せ攻撃により死亡した中、ウウクライナ国防省情報総局(GUR)がこの攻撃に関与したと明らかにした。外信はウクライナとロシアの戦争が世界で進行していることを見せる事例と解釈した。

ガーディアンやタイムズなど外信によると、GURの報道官は「マリ反政府勢力に必要な情報を与え、ロシアの戦犯を相手に成功的に軍事作戦を遂行した」と明らかにした。キーウポストはマリ反政府勢力がウクライナ国旗を持って立っている写真も公開した。

ワグネルグループはテレグラムを通じ、マリで重武器、ドローン、自爆テロ犯を使った1000人と激しい戦闘を行い、第13旅団のセルゲイ・セブチェンコ司令官ら戦闘員が死亡したと明らかにした。死亡者数は明らかにしなかったが外信は消息筋などの話として50~80人台だと伝えた。最小15人は捕虜に捕らえられ反政府勢力に反ワグネルのスローガンを叫ぶよう強要されたという。

ワグネル組織の一部で活動したネオナチのルシッチグループもグレーゾーンチャンネルを運営してきたニキータ・フェディアニンがマリで死亡したと明らかにした。グレーゾーンは50万人以上の購読者数を持つテレグラムチャンネルで、ワグネル関連の消息を伝えてきた。

◇ワグネルグループ、ウクライナ国外で最大の損失

タイムズは「ワグネルグループがマリで失った兵力はシリアで米軍との衝突により200人が死亡した2018年以降でウクライナ国外で最も大きな損失」と伝えた。

独立を要求する多様な反政府勢力と戦ってきたマリ政府は2020年に軍事政権成立後、ワグネルグループに支援を要請した。アフリカで影響力を拡大しようとするロシアの利害関係もあり2021年に約1000人のワグネル戦闘員がマリに入国した。過去にマリを植民地として支配したフランスは現政権の要求により2022年に軍を撤収した。

ウクライナ戦争後にロシア政府がアフリカで25億ドル相当の金を抽出するのにワグネルグループが支援したという報告書もある。米国はマリでの活動をウクライナ戦争の軍事装備伝達ルートに利用したという理由からマリにいたワグネルグループのトップを昨年5月に制裁した。

◇「ロシアのアフリカでの金抽出にワグネルが支援」

米国家安全保障局(NSA)の文書によると、GURのブダノフ局長はすでに昨年マリでワグネルグループを攻撃する計画を立てていた。ウクライナ特殊部隊はスーダンでもワグネルの戦闘員を相手にした作戦に参加したという。ガーディアンは「(ワグネルが活動するスーダンにウクライナ軍が関与したのは)ウクライナとロシアの戦闘が世界的な次元で拡大しているという追加のシグナル」と分析した。

ワグネルはロシアのプーチン大統領の知人だったプリゴジン氏が2014年に設立した。ウクライナ戦争に参加したびたび最前線勤務と引き替えに赦免された収監者を活用した。プリゴジン氏がクーデター失敗後に飛行機爆発で死亡した後もワグネルグループはアフリカで活動してきた。

ウクライナ安全保障協力センターのセルヒー・クザン会長は「ロシアにとってワグネルがいるアフリカは金、ダイヤモンド、ガス、石油を確保できる地域で、お金はロシアの侵略資金として使われる。経験が豊富なワグネルの戦闘員を『清算』することがウクライナには役立つ。(マリで死亡した)相当数はウクライナで戦争犯罪を犯した。ロシアの戦犯は安全でない点を知らなければならない」と話した。