南米ベネズエラで大統領選投票始まる マドゥロ氏の不正勝利なら米国が「疑義」唱える方針

AI要約

南米ベネズエラで大統領選が始まり、現職のマドゥロ大統領と野党候補のゴンザレス氏が一騎打ちを繰り広げている。事前の世論調査ではゴンザレス氏が優勢とされており、マドゥロ氏は野党弾圧を示唆している。国際社会は公正な選挙実施を求めている。

マドゥロ氏は前回選挙で再選された経緯やEUの選挙監視団の受け入れ拒否など、権力集中化や選挙不正の疑いが指摘されている。国内外からの懸念が高まっている。

米政府は野党弾圧の懸念を表明し、制裁の可能性を示唆。公正な選挙が実施されれば制裁を緩和する考えも示されている。

南米ベネズエラで28日、大統領選の投票が始まった。3選を目指すものの「劣勢」と伝えられる反米左派ニコラス・マドゥロ大統領(61)が、野党弾圧を示唆。公正な選挙の実施が危ぶまれている。米国政府は、マドゥロ氏が具体的な根拠を示さず「勝利」を主張した場合、国際社会に「疑義」を唱える方針だ。

大統領選はマドゥロ氏と野党連合が擁立した元外交官エドムンド・ゴンザレス氏(74)の事実上の一騎打ち。米非営利法人(NPO)「アメリカ評議会」によると事前の複数の世論調査の支持率はゴンザレス氏が59~71%と優勢。マドゥロ氏は12~24%に止まる。

マドゥロ氏は、2013年に死去したチャベス前大統領の後継として同年の大統領選に勝利した後、強権化。18年の前回選は野党が抗議のボイコットをした結果の〝出来レース〟で再選した。

今回の選挙戦でも一度は招待した欧州連合(EU)の選挙監視団の受け入れを拒否した。自らが勝利しなければ「血で血を洗う内戦」に陥るとも語り、野党や国際社会の懸念は強まっている。

米政府高官は26日、記者団の取材に、野党弾圧の可能性に懸念を示したうえで、ベネズエラ大統領選の成り行き次第で対ベネズエラ制裁を「調整する」と発言。選挙が公正に実施されれば制裁を緩和する可能性を示唆した。(平田雄介)